デザイン思考の先を行くもの Design the Future(各務太郎)
デザイン、と聞くと、「絵が下手なんで...」と答えがちですが、それは違うようです。
グローバル・スタンダードのDesignは、課題解決、であり、絵のセンスなどは全く関係がない、とのこと。
なるほど、と思うと同時に自分でもできる、と自信をもらえる一冊です。
読んでいて、濱口さんも仰っている「ビジネスデザイナー」という職種がメジャーになる日も近い気がしました。
欧米におけるデザインの考え方は、芸術の表現ではなく、目的の表現である。
日本語のデザイン、を辞書で引くと、3つの意味がある。
1. 建築・工業製品・服飾・商業美術などの分野で、実用面などを考慮して造形作品を意匠すること。「都市をデザインする」「制服をデザインする」「インテリアデザイン」2. 図案や模様を考案すること。また、そのもの。「家具にデザインを施す」「商標をデザインする」3. 目的をもって具体的に立案・設計すること。「快適な生活をデザインする」
実は英語のdesignとは3の事だけであり、目的を持って設計することである。そして1と2を意味するものとしてstylingと言う言葉が存在する。
欧米におけるデザインの考え方は、芸術の表現ではなく、目的の表現である。つまり、問題を解決する手法自体がデザインなのである。
そのため、デザインにセンスは一切関係がない。もしデザインのセンス、と呼べるものがあるとすれば、それは不便を感じる頻度ではないかと思う。
もしあなたが今日1日過ごして、そして1度もイライラしないことがあったとしたら、それは危険信号である。不便のひとつひとつに、その逆張りとしてのこうすればいいのに、が必ずあるからだ。
一人二役になり、異なる専門知識を生かしてアイデア出しを行う
0から1を生み出すには、複数人を交えた場でのそれぞれの専門知識を生かして議論をすることが必要である。
ではもし、この発想プロセスを自分1人で無理矢理行うにはどうしたら良いだろう。
そこで私が実践しているのは、自分の人格を2つに分断して交互に行き来するという方法だ。
なにかテーマがあるとき、そのテーマを考えるときにあえて自分が親しみがある他の概念を軸に考える。例えば受験を変えたい、と思っている場合はそこにデッサンの概念を導入してみる、など。それにより、新しいアイデアが生まれやすくなる。
新しいアイデアを考えるときは、何を変数にするかを決める。
そこで、傘を柄の部分、軸の部分、幕の部分、の3つのパートに因数分解してみる。そして、2つを固定した状態で1つを変数にしそれをずらしてみると言うアイデア出しを行う。例えば、幕だけを変数にした場合、材質を水を吸収する素材にし、歩けば歩くほど空気中の水分を吸って飲み水に変えてくれるようなものができるかもしれない。
これは、濱口さんがSHIFTで仰っている、何をずらすか、という話と同じです。確かに、こう考えると新しいものを思いつくことがスムーズになります。
練習せねば。
新しい考え方をいかに学ぶか。
一見全然関係ないように思える本を、ここから建築を学ぶ、と決めて読むと、思ってもみなかったようなエッセンスを見いだすことができる。
例えば、料理の本を読みながら建築を学ぶと決めて読んでみると、料理にはレシピがあるのに建築には図面しかない。建築のレシピを作ったらいいんでは無いだろうか。建築のクックパッドのようなものができれば、日永良い設計を共有できるのではないだろうか。 建築でコース料理のような考え方ができるのかなどの新しい発想が生まれてきた。
デザインを考える際、ミッションやルーツを大事にする。
例えば病院のデザインを考えている時、Hospitalの語源はHotelと同じ、というところから、病院にもおもてなしの概念を導入すべきではないかと考えた。
そこで、病院に来ている人は、息苦しい思いをしなくてはならないという課題を解決すべく、ホテルのような落ち着いた病院を設計した。これもそもそもの病院のルーツを考えることで生まれてきたアイデアだ。
以上です。SHIFT、もおすすめですのでこちらもぜひご覧ください!