必読!おすすめビジネス書のご紹介

ビジネス書、何を読むべきか悩みますよね。ランキング上位を買ってみても、案外学びにならなかったり。そんな思いから、おすすめの本の概要を書くことにしました。外資系戦略コンサルなどで勤務した私が、おすすめの本をご紹介します!参考になれば幸いです!

SHOE DOG(フィル・ナイト)

またまた伝記です。(しばらく続きます)
NIKE、1964年の創業だったと知っていましたか?てっきりアディダスくらい歴史があるのかと思っていました。
 
その創業者、フィル・ナイトのすごいところは、絶対に諦めないところと、人に思い切って任せるところだ、と感じました。どんな逆境でも最後まで諦めない。そして自分よりも相手の方が優れているところを見抜き、バッサリと任せてしまう。
それにより、チームとして最大限の力が発揮され、たった数十年でゼロから世界一のスポーツ会社を作り上げたのだと思いました。
 
この本を読んで衝撃だったのは、オニツカや日商岩井、という個別企業の存在でした。フィルの成功は、裏を返せば、その両者にも同等に、それ以上のチャンスがあったということです。
おそらく、オニツカは戦略を考えるではなく、社内政治を考える人が多かったのかもしれませんし、日商岩井には金融マンはいたものの、より事業リスクを取って攻めるという人はいなかった、または当時の商社の役割はそうではなかったのかもしれません。
 
いずれにしても、NIKEのようなすごい企業を支えた裏方、で終わってしまっているのがとても残念です。
 
そして、日本の製造業としてのつまづきは、円の切り上げだったのだと、痛感しました。通過問題を機に、結局NIKEの日本生産はゼロになってしまいました。官僚、政治家の力と国力は相関してしまうのでしょう。 

SHOE DOG(シュードッグ)

要約

フィル・ナイトは大学卒業後、起業するという当時ではとても珍しいオプションを選択した。父親からは猛反対。しかし、靴への想いが捨てきれないフィルは、単身日本のオニツカに乗り込み、アメリカでの販売権を獲得する。その時、「会社を運営しています」と嘘をついたが、そのくらいの思い切りが大事だということだと思う。
 
売上全てをつぎ込み在庫を仕入れ、それを売りさばく、ということを繰り返していたため、常にキャッシュが足らなかった。そのために、銀行からは苦い顔をされ、ついには友人や従業員の親にも借金をしながらの自転車操業で急成長していった。
 
途中、バウワーマンという陸上界のスターコーチを仲間に入れ、靴の改善提案をオニツカ側に送っていった。数年してオニツカと歯車が合わなくなってきて、結局、決裂してしまう。
 
仕入れ先を失ってしまったフィルは、自社ブランドを立ち上げ、NIKEと名付けた。その過程で日商岩井がフィルを資金面や工場紹介面でサポート。現地の銀行から見放されたときも融資を拡大して支援した。
このときのことはとても細かく書かれており、フィルのNIKE人生の中でもよほどの危機だったと想像される。
 
 
NIKEは、フィルのチームがオニツカ商売時代に築き上げた顧客との信頼関係と、その品質以上のものを日本等の工場で生産することにより、スタート時からそれなりに売れた。しかし、爆発的なヒットになったのはオリンピックなどの競技会で選手が履いていたことである。それもバウワーマンの指導の中で靴を推薦していたことが影響している。
 
そして、フィルは次々とNIKEを履いていた選手と正式スポンサー契約をしていく。その契約を大学生にまで広げていき、割安の契約金で多数の選手と契約した。バスケ、陸上、テニスなど、多くの選手がテレビで活躍するたび、そのモデルが売れていった。
 
 
しばらく日本の工場に頼っていたフィルであったが、円の切り上げをきっかけに工場を台湾や韓国、メキシコなど、日本外に移し始めた。そうしないと採算が合わなかったからだ。
 
成功しつつも資金難にあえいでいたフィルだったが、経営権の希薄化と、外部への説明により成長スピードが遅れることを恐れ、株式公開をずっと渋っていた。しかし、種類株により議決権は守れるということを知り、ついに公開を決意。そしてその前後で韓国なども通貨の問題で採算が合わなくなってきたため、中国に乗り込んだ。
中国の工場を教育しながら製品製造を委託し、同時にこの大きなマーケットにも参入した。(ちなみに、トッププレイヤーとのスポンサー契約も、中国政府が取りまとめていた)
 
 
その後のNIKEの大躍進は誰もが知るところである。シューズ以外にも手広いスポーツ用品を手掛け、創業当時の世界の巨人アディダス・プーマを超える規模にまで成長し、何より、フィルは各界のトップアスリートから厚い信頼を得た。
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フィルの凄さは、どんな環境でも諦めないこと。苦しくても、前を向き、進み続けること。諦めたらそこで試合終了です。
 
出典