必読!おすすめビジネス書のご紹介

ビジネス書、何を読むべきか悩みますよね。ランキング上位を買ってみても、案外学びにならなかったり。そんな思いから、おすすめの本の概要を書くことにしました。外資系戦略コンサルなどで勤務した私が、おすすめの本をご紹介します!参考になれば幸いです!

ビジョナリーカンパニーZERO(ジム・コリンズ)

有名なビジョナリーカンパニーの最新版です。

 

なお、英語版は「Beyond Entreprership 2.0」であり、内容としても小さい会社がいかにして巨大な、素晴らしい企業になれるか、というような内容になっています。

とくにスタートアップ関連を経営している方、お勤めの方に、参考になる内容が多いです。

ビジョナリー・カンパニーZERO ゼロから事業を生み出し、偉大で永続的な企業になる

 

今回はかなりバラバラの順番となり恐縮ですが、重要ポイントをピックアップ記載します。(そもそも本の構成自体もかなりバラバラなので仕方ないのですが笑)

 

社員の育成を待つか、交代させるか。

基本的には育成スタイルをとるが、いくつかの場合には交代させた方が良い場合もある。

例えばこの人物を重要ポストに留めているために、他の優秀な人材が会社を去ることになっていないか。価値観が合わない場合は、それを変えようとする意思がない限りは交代させた方が良い。

その人物は、成果はチームのものとし、失敗は自分のものとみなす謙虚さ、そして成長意欲を持っているか。 仕事を業務と見ているか、責任と見ているか。 この1年で、その人物に対するあなたの信頼が高まったのか、下がったのか。 その人物が退社をしたら、あなたはどう感じるか

その答え次第で育成を待つか、交代するか、を判断しよう。

背中を預け合う文化を作る

海兵隊の総司令官にこう尋ねたことがある。ブートキャンプの目的は何ですか、なぜあれほど過酷な訓練を続けているのですか?

その答えは、「ブートキャンプでの厳しい訓練を通じて、極度のプレッシャーにさらされた時、周囲を助けるより自分のことを優先するような人物を排除することだ」であった。

企業も同じである。背中を預けられる信頼した人を集めるべきだし、その文化は強化していかねばならない。

真のリーダーシップとは、従わない自由がある人たちに自分についてきてもらうことである

ただ権力を行使しているだけなのに、自分にリーダーシップがあると思っているリーダーは多い。しかし権力に頼って仕事を進めているのは、リーダーシップを放棄することに他ならない。

コリンパウエル元陸軍大将は、私は誰かにこれは命令だと言った事は1度もない。できるだけ丁寧に指示を伝えるほうがはるかに良いことを知っていたからだ、と言っている。

それを踏まえると、リーダーシップとは、部下にやらなければならないことを、やりたいと思わせる技術である。

この定義には重要な点が3つある。 まず、やらなければならないことを見極めるのはリーダーの役目であること。続いて、やらなければならないことをやらせるのではなく、やりたいと思わせること。そして、リーダーシップとは理屈ではなくアートであるということである。

有能なリーダーに共通して見られるリーダーシップの7つの要素

誠実さ

最も重要な事は会社のビジョンを誠実に実践することだ。価値観は、リーダーが何を言うかではなく、何をするかを通じて社内に浸透していく。リーダーが組織文化のロールモデルにならなければならない。

決断力

決断力を持ちつつ、頑固にはならない。一度決定をしたら、断固として実行すべきであるが、新たな情報や状況に適応し、その意思決定を変える決断も重要である。

集中力

ドラッカー曰く、最初にやるべきことをやり、2番目以降は一切やるな。さもなければ何もできずに終わる。ライフルをオートマチックモードにしては、自分が混乱するだけだ。一つずつ、片付けていく。

人間味

偉大な企業を育てるリーダーは現場型である。ビジネスに人間味を加えようとし、他者に冷淡で、距離を置き、優しく関わろうとしない態度は許されない。

執務室を出て、社員に話しかけよ。社内を歩きまわってみよう。ランチルームに座りあらゆる階層の社員と食事をしよう。できるだけ大勢の社員のファーストネームを覚えよう。自分の部屋に呼びつけるのではダメだ。自分から行くべきだ。

現場で起きていることの報告を、管理職に任せてはならない。ときには自分で現場を見に行く必要がある。サムウォルトンの行動が良い例である。

対人スキル

リーダーは、社員に恐ろしく高い水準のパフォーマンスを求める一方で、社員自身をはぐくみ自分自身と自らの能力を肯定できるようにあらゆる手を尽くす必要がある。

企業での有効なリーダーシップ要素のうち、最も活用されていないものの1つがポジティブフィードバックである。相手がプロであろうと新人であろうと関係ない。常にモチベーションを高める努力をし、批判よりも褒めることを増やし、楽しい雰囲気で仕事を行うことが重要となる。

コミュニケーション能力

有能なリーダーはあらゆる場面でコミュニケーションを取ろうとする。組織のいろんな人に、書面や口頭、公式あるいは非公式にメッセージを伝えていく。

例えばジムバーグは、ジョンソン&ジョンソンの社長だった頃、職務時間の40%をクレド全社員に伝えることに費やしたと言う。

常に前進する姿勢

リーダーも日々成長しなければならない。楽観的で粘り強く、前進していく。会社も自分も。

権限移譲

意思決定を委譲するという事は、無関心でいること、あるいは失敗を手をこまねいて見ていると言うことではない。単純に、担当分野に影響を与える意思決定を下す権限を社員に与えるというだけのことだ。

移譲の際、意思決定は出来る限り下の階層に移譲する。それを明示し、移譲された社員に責任を持たせること。

実行するのに幅広い関係者を必要とする場合は、参加型あるいはコンセンサス型の集団的意思決定を選ぶべき。ただしこの時、最終決定をするのは自分だということも伝えておくべき。

ただし、すでに自分が決めた結論を導くふりをするために参加型のプロセスを取るふりをする事はかえって逆効果になる。社員を騙す事は絶対にしてはならない。

仕事でコントロールすべきは、時間である。

自分の仕事がうまくいけば、仕事がさらに増える。つまり仕事を完了するという概念そのものが甚だしい自己矛盾であり、仕事を完了させるべきという思考がノイローゼを引き起こす危険がある。

むしろコントロールすべきは時間の方である。何かをやることを明確に時間ベースで区切り、その中でも生産性を極度に高めるように努力すべきである。

マリオットコーポレーションの創業者のウィラードマリオットは、こんな哲学を社員に伝えた。

「懸命に働け。1分1秒無駄にするな。そして働く時間を減らせ。勤務時間の半分を無駄にしている者もいるのだから。」

厳しい時こそ、社員を励ますべき

ラッセルレイノルズの創業者、ラッセルレイノルズが業績不振の拠点を訪問した時、みんな緊張した面持ちで会議室に入っていった。しかし、当のレイノルズは前向きで明るい話しかしない。拠点のディレクターが、深刻な話をしようとしても、明るい話に引き戻し、こう言った。

皆さんが全力で頑張っているのはよくわかる。このまま努力すればいずれ何らかのきっかけで業績が好転すると確信している。皆さんは優秀だし、私は心から信頼している。このまま頑張ってくれれば良い。

自信をなくそうとしている社員たちにとって、このような評価をもらうことが何よりの励みになる。

 

パーパス経営に向けて

企業運営に最も重要な問いは、今から5年後、10年後にどんな会社になっていたいかである。これに明確な答えを持っていない、または、それが社員に伝わっていない場合、組織は分裂し、魅力を失う。

それがあって初めて、戦略を考えるステップに進むようになる。逆に言うと、何になりたいかなくしてどのように達成するかという戦略を作っても、結局うまくいかないことになる。

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企業の出発点であるビジョンの、出発点であるコアバリューと理念

コアバリューと理念は、組織の成長のあらゆる段階で空気のように組織の隅々まで充満していく、指針となる哲学と言える。

これは組織を動かす根本原則や信条を体系化したものであり、絶対に重視されるべき原則である。

数字上のパフォーマンスが良くても、コアバリューと理念に反しているような社員は重用してはならない。

そしてそのコアバリューは、作るものではなく、すでに自分や社員の心の中にある価値観や理念は何かと言うものを導き出すべきである。そして行動を通して組織に植え付けていく。

2つ目はパーパス

優れたビジョンの2つ目の主要な要素であるパーパスは、理念から湧き出るものである。パーパスとは、常に実現に向けて努力する目標であるものの、決して完全に実現される事は無いと言う特徴を持つ。

スティーブ・ジョブズが言うことはそのイメージの説明にぴったりだ。

「私がもう充分だと思う事は未来永劫ない気がしている。この世界にはたくさんの壁があり、生きている間に超えられない壁は常にあるだろう。重要なのは、そこに向かって努力し続けることだ。」

つまり、パーパスは個人にとっての生きる目的と同じ役割を果たすイメージになる。

第3の要素はミッション

ミッションとはそこに社員のエネルギーを集中させるような、明確で説得力があるものである。そして実現可能なものであり、バリューやパーパスで方向性を示しつつも、明確に何を成し遂げるかを決めたものがミッションである。

ミッションは簡潔で、明快で、野心的で、気持ちを高揚させるものであり、説明は不要で聞けばわかるようなものである。

ミッションの時間軸に明確な答えは無い。1年以内のこともあれば、30年以上かかるミッションもある。いずれにしても、達成したかどうかきちんと認識することが大事であり、その次を設定することもまた大事である。

一度ミッションを達成したら、パーパスに立ち返って次のミッションを決める。そのように随時更新されていくものである。

ミッションは4つの形がある。

1つ目は目標である。例えば創業7年目のソニーが掲げたように、世界的な目を持って考え、ものを作り、輸出に全力を注いでいく、のように。

2つ目は共通の敵である。一時期ペプシのミッションは、コカコーラを倒せであった。また、一時期のホンダのミッションは、ヤマハを潰す、であった。ヤマハがホンダに勝つと宣言したことに対して、真っ向勝負をした形である。

3つ目は、ロールモデルである。例えば、銀行業界のウォルマートになる、のようなイメージである。

4つ目は珍しいが、内部変革型のミッションである。明確に構造改革を必要としているような場合に使用され、例えばジャックウェルチ

私たちは小さな会社の敏感さ、リーン組織、シンプルさ、俊敏さを身に付けることを誓う をGEのミッションとした。

成功の反対は失敗ではなく、成長である。

クライマーのコールドウェルに、何度もドーンウォールに挑戦することの理由を尋ねた。返答は、この挑戦によって、自分の技術が向上し成長し、強くなるからだ。そして自分は失敗しているんじゃない、成長しているんだ、であった。

自分たちの会社の強みと弱みを把握する

自分たちで考えることも重要だが、外部のインプットを受けるのも有効である。投資家や顧客に聞いてみるという手もある。顧客に聞く場合はより親密な関係を構築できると言う副次的効果もある。

何より、私たちが誰よりも得意な事は何か、競争優位の源泉となる唯一無二の能力は何か、を決めることができる。

それに集中し、それを伸ばし、それで戦うことができるのが優れた戦略である。

トップこそ、都合の悪いことから目を背けない。

見たくないものは見ないようにすると言う事は会社でも国でも、歴史上何度も起こった失敗の原因である。

それを避けるためにできる事はいくつもある。

第一にあなたの周囲にありのままの現実を伝えてくれる人材をおこう。あなたのことを恐れず、社内政治にも無頓着な人が必要だ。正直かつ率直すぎて、一緒にいると居心地が悪くなる位の人がちょうど良い。

ワトソンJrが言うように、偉大な企業のリーダーはありのままの真実を伝え、頭脳明晰で容赦なく厳しいことを言う、嫌な奴といっても過言ではないような人物を積極的に登用する。

また、事実を報告してもらうように働きかけるべきだし、悪いことを報告した人絶対に罰してはならない。

長期にわたって繁栄する企業は、変化に適応できなければならない。そのためには、これら3つの質問に答え、実行しないといけない。

  • あなたが身を置く世界でこれから15年以内に確実に起こるはずの重大な変化はどのようなものですか
  • そうした変化のうち、あなたの会社にとって重要な、または存在を脅かす脅威になるものはどれですか
  • そうした変化に先手を打つため、今すぐ緊急に取り組まなければならない事はなんですか

嵐が来たときにどれぐらいうまく乗り切れるかは、嵐が来る前に何をしていたかで決まる。

イノベーションを継続する組織になるために。

イノベーティブな組織を作るためには、どうやってクリエイティビティを刺激するかではなく、どうやって身の回りに溢れているクリエイティビティを拾い上げ、行動に移し、イノベーションに変えるかが重要である。アイデアはいくらでもある。

イノベーションとは、実行にうつされたアイデアに他ならない。

社員がクリエイティビティを実行しやすくするために、制度を整えておく

良いアイディアが実行され、成果が出たらそのアイデアの発案者に小さなボーナスを出すのも良い。管理職に上がる以外のキャリアパスを作るのも良い。

何より、クリエイティブな人材によりがんばってもらうには、ピンボール方式が良い。ゲームを一回クリアすると、もう一回プレイできる。あるマシンを開発成功すると、次のマシンもできるようになる。

注意すべきなのは、真にクリエイティブな人材は息抜きや、楽な仕事には基本的に魅力を感じない。そんなことではなく、新たな挑戦学習、そして自分の仕事を評価してもらう機会を求めている。

社員のクリエイティビティを刺激するためのマネージメントルール

あら探しをせずに、励ます。

決めつけない

内気なタイプの人を後押しする

好奇心を刺激する

制約により必要性を生み出す

会社の文化を維持し、社内に植え付けるために

ラッセルレイノルズでは、幹部社員との哲学面接を受けなければ、入社することができない。

他にもこのような方法が考えられる。

新入社員にスターターキットを渡し、そこにビジョンやステートメントを書き、必ず読むようにする。

とにかく書き、文章にする。口頭よりも、書かれたものの方がしっかり伝わるし、また会社の理念が伝わるような手紙や記事を社長自身が描くのもオススメしたい。

文章を通じて、社員が担当する仕事の重要性を繰り返し伝えよう。自分を頼りにしている仲間のために困難な仕事をやり遂げた社員のエピソードを語る。個別の社員がこれからの人生に大きな影響与えた事例を伝えよう。

社史をまとめ、新しい社員もそれを理解できるようにしよう。

すべての新入社員と会社の理念について語り合おう

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第五水準


目標をきちんと設定することは大事。

例えば早く走ろうという目標と、5分30秒を切ろうという目標と、どちらがよりイメージできるだろうか。具体的で実現可能な目標を設定しておけば、社員はその目標達成に向けて自ら努力をする。一方で目標が曖昧であれば、その達成は定義が難しく、管理者がかなり介入する必要が発生する。

年次業績評価の際は、目標さえ決まっていれば評価に時間はかからない。一方で次の目標設定に時間を割くべきだと思う。逆に目標に対するフィードバックは1年中継続的に行うべきだ。

同時に、目標の達成度合いをリアルタイムで図ることができる仕組みも必要だ。出荷ミスを0.1%以下にすると目標をセットしたときに、出荷ミスの具体数字を年末まで知ることができなければ、その目標は機能しない。

社員へのポジティブフィードバックに、ちょっとした金銭的報酬を使おう

例えば、

「社員に手紙を書き、クリスマスの繁忙期に、残業が一気に増えてご家族に負担をおかけしました。あなたの努力には感謝しています。ご家族で好きなレストランに行って、支払いは会社に回してください。」

または、社長が直接若手に電話をかけ

「展示会の前にソフトウェアのバグを全て解消してくれて本当に助かった。ささいなお礼だが、ストックオプションを君の口座に追加させてもらったよ。これからもよろしくお願いします」

など。あなたは優れた成果を上げた、あなたに感謝している、あなたの仕事は重要だと伝える手段として金銭的報酬を使うと効果は絶大になる。

なお、社員側がそれを期待している場合は、サプライズにならないためあまり効果がない。例えば年次昇給をしたからといって社員のモチベーションが上がるかというとそんな事は無い。

社長は社員を大切に考え、尊敬しているか

結局、成功の秘訣は1つではない。しかし共通しているのは、社長が社員を大切に思っているか、ではないだろうか

フェデックスの社長であったフレッドスミスがこう言った。

「企業経営者のほとんどは、工場など現場で働くメンバーを見下している。普通の人を軽蔑しているんだ。彼らのおかげで自分は途方もない金額を稼いでいるというのに」

全てはこの一言に集約されるだろう。

 

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出典

ビジョナリー・カンパニーZERO ゼロから事業を生み出し、偉大で永続的な企業になる

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