必読!おすすめビジネス書のご紹介

ビジネス書、何を読むべきか悩みますよね。ランキング上位を買ってみても、案外学びにならなかったり。そんな思いから、おすすめの本の概要を書くことにしました。外資系戦略コンサルなどで勤務した私が、おすすめの本をご紹介します!参考になれば幸いです!

HARD THINGS(ベン・ホロウィッツ)

自身で起業から辛いCEO時代を経て、会社を売却し、そしていまではベンチャーキャピタルを運営する筆者による、スタートアップのCEO、そして起業を目指す人に向けて書いた本です。
 
スタートアップと呼ばれる会社で働いた経験がある方がいれば、とても腑に落ちる話、そして実際に起きそうな恐怖として感じる話が多い、と感じるかと思います。
そしてそれに基づく著者の考え方、主張には金言が多いです。
 

HARD THINGS 答えがない難問と困難にきみはどう立ち向かうか

要約と抜粋

スタートアップのCEOは確率で考えてはいけない。とにかく前に進む。

会社の運営では、答えがあると信じなきゃいけない。答えが見つかる確率を考えてはいけない。とにかく見つけるしかない。可能性が10に9であろうと、1000に1つであろうと、する仕事は変わらない。
 
成功するCEOの秘訣は何かとよく聞かれるが、残念ながら秘訣は無い。ただし際立ったスキルが1つあるとすれば、良い手がない時に集中して最善の手を打つ能力だ。
私は、常に武士道の考えに従ってきた。それは、「常に死を意識せよ」だ。
 
 
【辛い時に役に立つかもしれない知識】
  • ひとりで背負い込んではいけない。
  • 単純なゲームではない。苦悩は、戦略が必要なチェスだ。
  • 長く戦っていれば、運をつかめるかもしれない。テクノロジーゲームでは、明日は今日と全く違う。明日まで生き延びれば、今日はないと思えた答えが見つかるかもしれない。
  • 被害者意識を持つな。
  • いい手がないときこそ、最善の手を打つ。
 
 

健全な企業文化

健全な企業文化は、悪いニュースの共有を促す。問題を隠し立てせずに自由に語れる会社は、迅速に問題を解決できる。CEOは、問題があることを知らせた人を罰してはならない。問題を明らかにした人々に報酬が与えられる文化を作る必要がある。
 
CEOは人、製品、利益を、この順番で大事にすべき。
 
良い組織では、人々が自分の仕事に集中しその仕事をやり遂げれば会社にも自分自身にも良いことが起こると確信している。
こういう組織で働ける事は真の喜びだ。誰もが朝起きた時、自分のする仕事は効率的で効果的で、組織にも自分にも何か変化をもたらすとわかっている。
それが彼ら自身への意欲を高め、満足感を与える。
 
一方で不健全な組織では、皆が多くの時間を組織の壁や内紛や崩壊したプロセスとの戦いに費やしている。
自分の仕事が何なのかさえ明確になっていないので、自分が役割を果たしているかどうか知る由がない。
 
 

社員教育は、スタートアップを含むすべての会社にとって必要なこと

社員教育がスタートアップでも必要な理由。それは単純にマネージャーが使う時間の何倍もの効果を生むからである。加えて、会社文化の浸透、社員の会社へのロイヤルティの向上、そして人材のリテンションにいい効果があるからだ。
 
社員教育の第一段階では、社員にとって関連の深い話題から入るのが良い。社員が自分の仕事をするために必要な知識とスキルだ。私はこれを、機能教育と呼んでいる。
教育コースを作るときは、個別の業務に合わせて用意するべきである。また、コースを作るときはマネージャー以外に、チームで最も優秀なエキスパートも参加させるのを忘れないように。
この手の作業は文化創成のために社会戦略会議を100回やるよりも強力かつポジティブな企業文化を育成できる。
 
 
企業教育プログラムにおけるもう一つの柱が、マネジメント教育だ。これは、マネジメントチームに対する期待を設定する理想的な場だ。
マネジメントに、部下に対してどうして欲しいのかを伝える場だ。
期待値セットが済んだ後は、具体的にどのようにマネジメントを行うかを教育する。
 
そして、教育は全社員に義務づけなければならない。そのためには、機能教育は新規採用の条件にする。そして、CEO自分自身が教えることで、マネジメント教育を強制する。
 
皮肉なことに、教育プログラムを整備する上で最大の障壁は、時間がかかりすぎると言う、人々の認識にある。しかし会社の生産性を改善するためにこれ以上の投資は無いことを肝に銘じるべきである。
 
 
 
 

大企業の幹部とスタートアップの幹部に求められることは一致しない。

大きな会社と小さな会社で最も大きく違うのは、経営している時間と創造している時間の長さだ。
大企業の幹部は、忙しすぎるあまりあらゆる行動が受け身になってしまう。何もしなくてもスケジュールが埋まり、あらゆる人から問い合わせが来る。
 
一方でスタートアップの幹部は自らやることを考え実行しなければならない。受け身でいる時間はない。
 
そのミスマッチを避けるために、面接においてこれらの質問が有効だと思う。
  • 仕事について最初の1ヵ月に何をしますか?
  • 新しい仕事は、あなたの今の仕事とどう違いますか?
  • なぜ小さな会社に入ろうと思いましたか?
 
そして、採用する前に、誰が入社後にサポートするのかを決め、積極的に溶け込めるようにサポートすべきだ。
 
 
 

技術的負債のように、経営的負債もある

短期的には利益があるが、長期的には大きなマイナスになることを経営的な負債と呼んでいる。よくある例として3つを挙げる。
1.1つの役職に2人をすえる
 L これは船頭多くして船山に登る状態になる。
 
2.重要な社員が引き抜かれそうなので、不相応な報酬を与える
 L 全社員が、他社に高い給料を提示させれば転職せずとも自分の給料が上がると信じるようになってしまう。
 
3.実績管理も従業員フィードバックのプロセスもない。
 L 初めはそれでもいいだろうが、徐々に会社の業績に悪影響を及ぼしてくる。社員が数十名のうちから、きちんとしたフィードバックを行うべきである。
 
 

個人面談は極めて重要で有効である

個人面談は、緊急性の高い課題についての報告だけでなく、社員が日頃抱いている不満、目にしてはいるが正式の報告書には書きにくい問題点、温めているけれども煮詰まってはいない有望なアイデア、システムへの不満や個人的な悩みなど、ありとあらゆる問題を拾い上げることができるほとんど唯一のチャネルである。
 
個人面談で役に立つ質問の例をいくつか挙げてみよう。
  • 我々がやり方を改善するとしたらどんな点をどうすればいいと思う?
  • 我々の組織で最大の問題は何だと思う?
  • この職場で働く上で一番不愉快な点は?
  • この会社で1番頑張って貢献しているのは誰だと思う?
  • 君が私だとしたら、どんな改革をしたい?
  • 我々が本来やっていなければならないのに、やっていないのはどんなことだろう?
 
 
 
 

組織のデザイン

組織デザインで覚えておくべきルールは、完璧な組織デザインはないということである。必ずトレードオフがある。
1.どの部分に最も強いコミュニケーションが必要か、考える
2.どんな意思決定が必要なのかを検討する
3.最も重要度の高い意思決定とコミュニケーションの経路を優先する
4.それぞれの部門を誰が管理するかを決める。この時に大切なのは、現場の社員が最も効率よく働けるようにすることであり、管理職側の都合で決めてはいけない。
5.優先しなかったコミュニケーション経路を認識し、そこから生じる問題を最小限とするように手を打つ。
 
 

リーダーシップ、CEOに共通して必要とされる唯一の資質

偉大なCEOに共通して必要とされる唯一の資質は、おそらくリーダーシップだろう
人々がリーダーに従いたくなる要因には3つの資質が重要だと考える。
  • ビジョンを生き生きと描写できる能力
  • 正しい野心
  • ビジョンを現実化する能力
 
ビジョンを生き生きと描写するのは、スティーブ・ジョブズ属性と言える。
NeXTがビジネス上の失敗を長く続けたにもかかわらず、優秀な社員たちを自分に従い続けさせたこと、倒産まで数週間という中でもアップルで社員にビジョンを信じさせたこと。
これほど説得力を持ってビジョンを描ける能力は、スティーブ・ジョブズ属性と呼ぶほかない。
 
正しい野心を持つことは、ビル・キャンベル属性と言える。CEOとして成功するには、第一に人々がCEOのために働きたいと思うような人間でなければならない。
真に偉大なリーダーは、周囲にこの人は自分のことより部下のことを優先して考えている、と感じさせる雰囲気を作り出すものだ。社員は会社を自分たちのものと感じ、それに従って行動するようになる。この能力は、ビル・キャンベルが特出していると思う。
彼が社長を務めた企業の社員と話すと、彼らは皆私の会社、我々の組織と呼ぶことに気づく。ビル・キャンベルは、無私の精神で社員のために自らに対する給与、名声、栄光、その他あらゆる報酬を犠牲にすることをためらわない。ビルと話をすると彼が相手のことを気遣っているという感じがする。
 
 
ビジョンを実現する、アンディグローブ属性。リーダーシップに必要な3つ目の能力は、純然たる経営能力だ。
社員がリーダーのビジョンを理解し、リーダーが自分たちのことを気遣っていると信じたとしよう。最後の問題は、そのリーダーがビジョンを実現する能力があるかどうかだ。
アンディグローブは、インテルの売り上げの8割を占めるメモリ事業から撤退し、マイクロプロセッサー事業にインテルを導いた。優秀な社員がこぞって反発したものの、アンディは明確な意思を持ち、説得しながら推進した。
 
 
 

起業家に一番伝えたいこと

自分の独特の性格を愛せ。
生い立ちを愛せ。
直感を愛せ。
 
成功の鍵はそこにしかない。困難に直面した時に何をすべきかは、彼らが自ら判断する以外ない。
 
そして、苦闘を愛せ。
 
 
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以上です。
いかがだったでしょうか?とても勉強になる内容であり、しびれる内容だなと思いました。これも読み返し、体に染み込ませねば..!
 
 
ベン・ホロウィッツの本で、新しい本といえばこちらです。というより、WHO YOU AREを読んで、この本を読もうと思いました(信じられないくらい時間が空いてしまいましたが...)
 参考になれば幸いです。