必読!おすすめビジネス書のご紹介

ビジネス書、何を読むべきか悩みますよね。ランキング上位を買ってみても、案外学びにならなかったり。そんな思いから、おすすめの本の概要を書くことにしました。外資系戦略コンサルなどで勤務した私が、おすすめの本をご紹介します!参考になれば幸いです!

戦略がすべて(瀧本哲史)

とても若くしてこの世を去ってしまった瀧本さんの一冊です。切れ味のある書き方で、鋭い指摘が多いです。中でも私が「なるほど!」と思った内容を記載します。

物事を、一段、二段高いところから眺め、考えてみることで戦略、が見えてきます。

 

値段も安いので、まだ読んだことない方は是非ご一読ください。

 

戦略がすべて (新潮新書)

価値の厳選をシフトさせることで、自らの優位性を失わないまま、継続的な価値を提供し続ける

もともと、タレントは「個人」のビジネスだった。そのため、事務所がマーケティングを行い、タレントを売り込み、結果としてタレントが力をつけると、逆に所属事務所は立場が弱くなり、ギャラを上げざるを得なくなり、利益率が落ちる、という難しいビジネスだった。
 
それを秋元氏がAKB48で変えた。AKB48は「個人」ではなく「グループ」でタレントの価値が生まれるため、一人ひとりが力をつけにくくなった。一部力をつけたメンバーが卒業しても、AKBというプラットフォームに人気があるため穴埋めとして、新人が入っても大きな打撃はない。
人の好みはバラバラだし、流行は変わる。メンバーをコロコロ変えることで全てに対応することができる。
仕事のオファーは「AKBグループ」に来る。そのため、全員の稼働を平均して高めることができる。
 
大枠で言えば、宝塚や、コンサルティングファームも同じ仕組みである。
 
法律事務所がトップパートナーの名前を会社名に入れるのに対し、マッキンゼーでは、二代目社長のバウアーは社名を自分の名前に変えなかった。それは、トップが一番すごい、ということを社内外に示したくなく、かつ属人化したくなかったからである。同じく、ボストン・コンサルティング・グループも、創業者のブルースヘンダーソンは自分の名前を入れなかった。
 

プラットフォームをいかに作り、育てるか、が今後のビジネスでのキーになる

リアルのプラットフォームがこれから力を持ってくるのではないか。電鉄会社の中では東急が優れていると思う。なぜならばそのブランドメッセージが明確であるからである。
 
こう考えれば、国自体も1つのプラットフォームと言える。生まれた場所に一生とどまらなければならない時代ではなくなった。そうすると、国はいかに優秀な人材を惹きつけ、集めて国を成長させるか、で他国としのぎを削らなければならない。それは、国の政策自体にかかっているのである。
 
 

成長のためには多様性が重要となる。北海道はとても多様性がある街。

北海道は明治時代に開拓されるときに全国から様々な人が集まったため、今でも多様な人が住んでいる。標準語が基本であり、格差も日本標準レベルであり、また、都市部(札幌)に地方部から人が移り住む、という減少も日本の縮図となっている。そのために北海道はテストマーケティングによく使われている。北海道でうまく行けば、日本全国でもうまくいきやすい、ということだ。
 
セイコーマート(生鮮品を扱い始めたコンビニ。最後発ながら伸びており、大手も参考にしている)、コーチャンフォー(本や雑貨を扱う複合店)、農地改良ビジネス(東南アジアなどの土地を買い、土壌を農業向けに育て、販売するというビジネス)など、日本全国に先駆けたビジネスの発祥の地となっている。
 
今後も、ただ成果物を販売する(農作物のように)のではなく、そのノウハウを販売する(コンサルティングだったり、農地販売だったり)というビジネスが流行る可能性はあり、その際は製造業や小売業の日本企業にも大いにチャンスが有るだろう。
 
 
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おそらく、読者の前提知識により、「なるほど!」と思うポイントは全然違うと思います。個人的には、北海道の事例がとてもおもしろく、コーチャンフォーを思わず調べてしまいました。
 
 

 

戦略がすべて (新潮新書)

戦略がすべて (新潮新書)

  • 作者:瀧本 哲史
  • 発売日: 2015/12/16
  • メディア: 新書
 

 

 

また、瀧本さんといえば、先日これも話題になりましたね。まさか当日、本人が亡くなっているとは思わないので、とてもしんみりしながら読みました。