おすすめビジネス書の書評サイト

ビジネス書、何を読むべきか...と悩みますよね。ランキング上位を買ってみても、案外学びにならなかったり。そんな思いから、おすすめの本を書くことにしました。外資系戦略コンサルなどで勤務してきた私が、今までに読んだ本の中で皆様におすすめのビジネス書を紹介していきます。この書評が参考になれば嬉しいです。

人を動かす人になれ(永守重信)

一代で日本が世界に誇るモーター会社を創り上げた、永守重信さんの本です。その経営の経験から学んだことが具体的に記載されている本です。いまでは大学改革、大学を通じた日本の教育改革にも乗り出している永守さん、本当に素晴らしいです。

永守さんに少しでも学び、そして追いつけ、追い越しましょう!!

 

「人を動かす人」になれ!―すぐやる、必ずやる、出来るまでやる

 

 

個人間の能力の差は最大でも5倍だが、意識の差は100倍にもなる

個人の能力の差なんて最大でも5倍ぐらいしかない。一方で意識には100倍位の差が生まれる。そのため、人を見るときはスキルよりも意識に注目する方がよっぽど重要である。
 

失敗は必ず解決策を一緒に連れてくる

日本での責任の取り方といえば、辞めるというのが一般的になっている。しかし、仕事で失敗した人が辞めるというのは筋違いである。それはやりかけた事を途中で放り出してしまう、無責任極まりない行為だ。もし何か失敗をしたのであれば、これを成功によって覆すのが本来の責任の取り方である。
失敗は成功の元という言葉があるが、すべての失敗が次の成功に結びつくわけではない。失敗したことを反省し、やり方を変えて再チャレンジしてみるから、成功する可能性が高くなるのだ。つまり、失敗の後の反省なしに成功を手にすることはできない。
こちらから失敗に近づいていくと、失敗をしないコツ、秘訣もわかってくる。若い時に致命傷にならない程度の失敗をいちどでも多く経験すべきだと思う。失敗を宝の山にするのか、ゴミの山にするのかは本人の心がけ次第。
 
 

人望を得るために絶対必要な5つの条件

1,
ギブアップをしないこと。一度やると決めた事はどんなことがあっても最後までやり抜く。こうした姿勢を貫く上司であれば、部下は嫌が応でもついていかなければならなくなる。
 
2,
陰で人の悪口、特に部下の悪口を言わない、言わせないこと。本人がいないところで仲間の悪口を言っているような職場では、チームワークや連携プレーがうまくいくはずがないからである。
 
3,
ごまかさないこと。人を動かすベースになるのは信頼である。自分の立場を守るためにごまかしたりすると、それはすぐに周りにばれる。そして信頼を永久に失う。
 
4,
正論、すなわち理詰めで部下を追い込んでいかないこと。もちろん正論を述べたり理詰めで話し合うことが必要な場合もある。しかし部下がミスや失敗をしたようなケースで、部下もそのことに気づき、反省しているなら、さらに追い打ちをかけるように正論を並び立て精神的に追い込んではならない。むしろ「君ともあろう人間がこんな失敗をするようでは思いやられる」と、理屈抜きでがつんと雷を落とし、これで終わらせる方が良い。
 
5,
休まないこと。どんなことがあっても休まないという信頼が多くの社員そして取引先の人たちからの人望の高さにもつながる。
 
 

大勢の部下を前に話すときは、テーマを1つか2つに絞り込む

話をするときに大事なのは、「参加者が後で振り返ったときにどんな話をされたか覚えている」ことである。1時間の間にたくさんの話題を話すと、聞いている側はその時は面白いかもしれないが、家に帰ると全て忘れてしまう。
そのため、1時間位であれば言いたい事は1つか2つに絞るべきである。そしてそのテーマについていくつもの具体例を込めながら何度も何度も同じ話をする。それにより頭ではなく体で覚え、家に帰った後も忘れずに、明日からこれを気をつけようと思ってもらえるようになる。
 
 

相手のキャリアによって話の内容をアレンジする

経営者は明確なポリシー、信念、不退転の決意を伝えることによって、多くの社員を動かしていかなければならない。その伝え方は誰に対しても同じであっては、隅々にまで浸透してはいかない。
・一般社員には危機意識30%、夢やロマンを70%
・主任クラスには危機意識50%、夢やロマンを50%
・部課長クラスには危機意識70%、夢やロマンを30%
・役員クラスには危機意識90%、夢やロマンを10%
 
一般社員の上司である部課長に危機意識を伝えておけば、それは自然と一般社員にも伝わる。むしろ、一般社員を下手におびえさせてもいけないし、明るく頑張ってもらうのが1番良い。そのため彼らに直接伝える場合は、明るい話をメインでするようにしている。
 
 
 

部下の提案に「しかし」をつけるな

私はすべての人間はやる気を持っていると考えている。ところが現実にはこの働き者の人間が動かなくなってしまう場合がとても多い。その大きな原因は、会社の仕組みと上司の意識に問題があるからだと私は考えている。
若い部下が前向きの企画や提案を上司にぶつける。ところが上司はなんやかんやと理由をつけて反対をする。上司がこんな意識では、いくらやる気がある部下でもそのうちにやる気を失ってしまう。
 
こうした経験から、日本電産では若い部下に大きな仕事を任せる一方で、何もしない社員よりもチャレンジして失敗した社員、能動的に行動した社員を高く評価する方針を貫いてきた。
社員のやる気を引き出す最大のポイントは、その仕組み作りと管理者の意識改革だ。これが経営者の仕事の全てだと言っても過言ではない。
 
 

反対されそうな指示を与えるときのやり方

買収した会社の組織を動かすために、基本はface-to-faceで接することが重要となる。最低でも1週間に1回、私1人が乗り込んで行き、役員たちを集めて自分の考えをストレートに伝える。それからすぐに工場に行き、自分の考え方に沿って問題点をピックアップし、思い切った改善テーマを設定する。そして改善の責任者と期限を決め、直ちに実行に移していく。
彼らにとってはこれまでのやり方を180度変えるので、当然大きな抵抗もあるし、拒否反応を示すものもいる。そこで最初は私の考え方に一番共感してくれそうな人物を見つけ、強力なサポートを行い、とにかく結果を出すことに全力を注ぐ。この時、一点突破主義でやるのがポイントで、あれもこれもと欲張ると全てが中途半端になる。
ここで誰の目にも明らかな成果さえ上がれば、放っておいても同調者が増える。組織に歴史がある企業ほど、上層部の意識が変わると下の意識も急激に変わり、相乗効果が生まれてくるものである。
 
 
 

自信をつけたものを踏みつけ、自信のない者には感動を与えよ

人使いの下手な管理職は、仕事に対して自信が生まれ成果が上がった部下をちやほやして褒め、反対に失敗をして自信を失いかけている部下をぼろくそに叱ったりする。しかし、それでは自信を持った部下は自信過剰になり、浮かれてダメになってしまう。一方で自信を失いかけている部下は自分がダメだと思い込み、本当にダメになっていく。これは管理職の責任である。
麦踏みと同じで、出来が良い部下ほど踏みつけてさらにチャレンジを行わせ、弱っている部下に対しては励ましと感動を与え、自信を与えるべきである。
 
 

自分に自信がない部下が成果をあげたら、少し過大評価をしてその気にさせろ

自信はしばしば本人の能力以上のパワーを引き出す原動力になることがある。そのためには自信をつけさせねばならない。入社して初めて案件を受注した部下に対しては、受注したことを一緒に喜び、褒めちぎる。時間が取れない時は褒めちぎった手紙を送っても良い。もちろん裏では手回しをして成果をあげるサポートをするかもしれないが、部下に自信をつけさせるためにはそれぐらいやる方が良い。
 
 

夜遅くまで残業する人よりも、朝30分早く出社する人を重視する

昔、あるコンサルタントから「社員の出勤時間が遅い会社はいくら熱心に指導しても良くならない。不良品や在庫を抱えていても、それすら改善することができない」と言われた。実際に社員でデータをとってみると、出勤時間の遅い社員は総じて仕事の成績が良くなかった。逆に朝早く出勤する傾向がある人は、心のゆとりがあり、問題を起こす前に確認をし、小さなミスが起こりにくいことが明らかになった。
 
 

叱るときには徹底的に叱る

私は叱るときには相手が泣き出す位まで強く叱ることがある。しかしこちらがどんな思いを持って叱っていても所詮相手は他人。そのため叱る場合のルールがある。
第一が最低でも叱った3倍はアフターケアをする。そのために叱った後には、大抵手紙を書いてきた。手紙の中身は相手を褒めちぎる内容である。
2つ目は叱ったことをすぐに忘れることである。私は社内でも、「いくら叱ってもトイレに行けば忘れる」と公言してきた。要するに、叱った事はすぐに忘れ、逆に褒めた事は紙に書いていつまでも残るようにするということだ。
3番目は辞めてしまえという言葉だけは禁句であるということである。
 

褒めるポイントを見つけてから叱るのがコツ

叱った後は褒めるのは大事とはいえ、褒めるところを探すのが難しい時もある。
そこで、普段から褒めるポイントを探しておく。最も効果的なのは、褒めちぎった手紙をポストに投函し、自宅に送ることである。それを家族が受け取り本人に伝えるので、直接伝えるよりも効果抜群である。似たような方法として、人づてに伝えるというのもある。本人の仲の良い社員に対して「彼はいいところがある」と伝えておくと本人の耳にも入る。直接聞くよりも大きな効果がある。
 
 
 
なるほど!覚えておかねば!と感じたことを記載しました。何度も読み、覚え、そして少しずつでもできるところから実践していきます。
みなさまの参考になれば幸いです。
 

WHO YOU ARE - 君の真の言葉と行動こそが困難を生き抜くチームをつくる -(Ben Horowitz)

組織におけるカルチャー構築の教科書と言える本ではないでしょうか。以前、「ピクサー流想像する力」という本をご紹介しましたが、それに匹敵するくらい、カルチャー構築について詳しく、具体的に、深く書かれている本です。
 
大企業で動きにくいなあ、と思っている方、会社が成長していて組織規模が変化しつつある方、お子さんに色々言っても聞いてもらえない方、解決のヒントが詰まっている本だと言えます。
 

Who You Are(フーユーアー)君の真の言葉と行動こそが困難を生き抜くチームをつくる

抜粋とポイント

▶明確な規律、明確なルール、そしてそれをリーダー自ら必ず実行する、ということを通じ、奴隷の意識を激変させた、ルーベルチュール
サン=ドマング(現在のハイチ)の奴隷に生まれながら、他の奴隷たちを指揮し、強烈な文化を作り、サン=ドマングを奴隷文化から解放したルーベルチュールは、文化を形成するために7つのテクニックを使った。
 1、うまくいっていることを続ける
 
何もないところに新しい文化を形成するのは不可能に近い。だがもともとある文化の中で良いところだけを生かし新しい文化に変えていくのは比較的やりやすい。
ルーベルチュールも、既にあった文化的な強みを活かすことにした。ブードゥー教の祭りで歌われる奴隷の歌だ。簡単だが記憶に残る歌声と言う武器を最先端のコミュニケーションツールに仕立て上げた。奴隷の兵士たちは敵を囲い、そしてブードゥー教の歌を歌い始める。ヨーロッパ人には歌詞がわからない。歌詞のある部分に達した時にそれを合図に一斉に攻撃を仕掛けた
 
 
 
2,ショッキングなルールを作る
 
ルーベルチュールは自分の軍に信頼を浸透させるため、あるルールを作った。そのルールはあまりにショッキングだったので、一体どうしてなんだ?と物議をかもした。彼は既婚の兵士に妾を持つことを禁じたのだ。強姦も略奪も兵士にとっては当たり前とされていた中で、婚姻の誓いを尊重しろと言うのは馬鹿げた命令に聞こえた。あまりの意外さに、兵士たちはその理由を知りたかった。
組織の誰もが「どうしてだ?」と聞く質問にどう答えるかで文化が決まる。というのもその答えはみんなの記憶に残るからだ。新人が入るたびにその説明が繰り返されることになるし、その説明は組織文化の中に織り込まれる。
ルーベルチュールは「この軍隊では、約束が何よりも重要である。妻との約束を守れないなら、私たちとの約束を守れるはずがない」と言い、強烈にこの思想が伝わった。
 
 
 
3,服装を整える
 
ルーベルチュールが奴隷軍に参加した時、ほとんどの兵士は服を身に付けていなかった。農園では裸で働いていたからだ。この寄せ集めの兵士たちに、エリート戦闘員としての意識を植え付けるため、ルーベルチュールは当時では最高に洗練された軍服を軍に着せた。自分たちが何者であり、何を成し遂げたいのかを常に心に刻んでおくためだ。
 
 
 
4,外部からリーダーシップを取り入れる
 
リーダーは望ましい文化を作り上げた他の指導者たちを取り入れることで、自らの文化を変えることができる。カエサルやチンギスハンはそうやって帝国を築きあげた。征服した地域の指導者を処刑するのではなく、彼らをその場所にとどめ、地域文化への深い理解を利用してその地域を統治した。
 
 
 
 5,何が最優先かを行動で示す
 
リーダーの意思決定が一般的な直感に反していればいるほど、文化への影響は大きくなる。
奴隷たちが農園主に勝利した時、ルーベルチュールが農園主を生かしておいたばかりか、引き続き土地の所有も許した。これは、復讐はすべきではないと言うルーベルチュールの考えに加え、実利的に戦費の調達をしなければならないと言う理由もあった。そして農園の効率的な運営は農園主が行った方が良いということもわかっていた。
この決断によって、ルーベルチュールはどんなに言葉を尽くしても成し遂げられないことを成し遂げた。革命は復讐のためではないと言うこと、そして配置の経済的な繁栄が最も優先されると言うことを伝えたのだ。「報復すべからず」口で言うのは簡単かもしれないが、そうした文化を築いたのはルーベルチュールの行動だった。
 
 
 
6,言行を一致させる
 
リーダーが率先して動かない限り、文化は花開かない。そしてどれほど上手に文化が設計され、慎重に構築され、しつこく強制されたとしても、トップにある人が矛盾する行動をしたりすれば、全てが水の泡になる。ルーベルチュールもこのことを十分に理解していた。兵士に多くのことを求めたが、彼自身も決めたことを必ず守った。
 
 
 
7,倫理観をはっきりと打ち出す
 
誠実さとは社内外の境目のない概念なので、組織に浸透させることが難しい。社員に対しては誠実に対応していても、顧客に嘘をついていれば社員はそのギャップに気づき、お互いに嘘をつき始める。だからどんな人に対しても同じ行動を取らなければならない。どの場面でもリーダーは期待にそう振る舞いが求められる。ルーベルチュールは兵士たちにズバリと命令していた。
「私をがっかりさせないで欲しい。欲望に負けて、せっかくの勝利を棒に振るな。敵を追い出した暁には、一番大切なものについて考える時間が持てる。この地上で最も大切な財産、それは自由である。その自由が滅びることのないように、われわれは戦っているのだ。」

 

 
▶文化を構築できれば、リーダー亡き後もそれが継承され強いチームが作られる
ルーベルチュールはサン=ドマングを統一後、その植民地化を狙って攻め込んでくるスペインやイギリスなど外国の軍を次々と打ち破った。しかし腹心の裏切りによりナポレオンの軍に引き渡されてしまう。最後はナポレオンにより処刑されてしまったが、その後サン=ドマングを攻め込んだナポレオンはワーテルローの戦いよりも多くの兵を失った。この敗北のせいでナポレオンはルイジアナなどの北米14州を売却せざるをえなくなった。
ナポレオンは「ルーベルチュールにサン=ドマングを統治させるべきだった」と告白していた。
 
 
▶Mottoを使い、社内外にカルチャーを表現したフェイスブック
フェイスブックの初期、スピードが何よりも優先だった。他社よりも先にシェアを取らないと、プラットフォームの取り合いに勝てない。そのために「素早く動き、破壊せよ」(Move Fast and Break Things)をMottoとした。それにより、エンジニアは既存コードにダメージがあるかもしれない新しい機能を造ったとき、迷わずリリースした。
 
しかし、フェイスブックが大きくなり、他社と連携することが増えたとき、頻繁に壊れるコードは信頼性がなくなっていく。そこで、2014年、Mottoを変え、「インフラを安定させたまま、素早く動け」(Move Fast With Stable Infra.)に変更した。
 
 
▶経営会議の出席者を意図的に調整することで、一気にカルチャーを変えたネットフリックス
ネットフリックスが宅配DVDで成功しているとき、ヘイスティングスはインターネットを使った動画配信を立ち上げていた。しかし、経営会議ではどうしても売上の全てを占める宅配の話になってしまう。そこで、最も重要な経営会議から、宅配関係者を締め出す、という大きな決断をした。そこまでしないと、「動画配信をメインにしないと競争に勝てない」という意識を浸透させることはできなかっただろう。口で言うだけではなく、行動に移さないと行けない。
 
 
▶武士道に学び、会社の最期の姿を思い浮かべ、そこから文化を構築する。
企業文化が脅かされるのは、危機が訪れたときだ。そんなときでも「すでに死んでいたら、殺されることはない」。「葉隠」は、どのように最悪の結果を想像し、受け入れたらいいかを生々しく描いている。
「一日の始めに、死についてじっくりと考えなさい。毎朝、静かな心で、自分の最後の瞬間を頭に思い浮かべなさい。弓矢で射抜かれ、銃で打たれ、剣で刺され、大波にさらわれ、地獄の炎に焼かれ、雷に撃たれ、断崖絶壁から墜落し、または何の前触れもなく突然に死ぬ姿を。毎朝必ず、死の瞑想に浸りなさい」 

 

自分の会社が破産する姿を思い浮かべれば、目指すべき文化を構築しやすくなる。破産したらどうなるかを想像してほしい。働きやすい職場だっただろうか?取引先にとって、仕事はやりやすかっただろうか?相手にとって、あなたとの出会いは得になったか、損になったか?プロダクトの品質に、あたたは誇りを持っていただろうか?
 
 
▶金を浪費しがちな文化を変えたければ、インパクトのある具体的な規則を作る
「ホテルの部屋から車が見えなければ、予算オーバー」
これを見たことで、飛行機のビジネスクラスや豪華レストランなどは論外だ、ということを、社員はすぐに理解した。いくら以上、と規則を作るより、伝えたいことが伝わった。
 
 
▶チンギス・ハンは実力主義、忠誠心、多様性、という3つの原則を土台にして、他に類を見ない安定した文化を築き上げた。
信教の自由であれ、共通文字の考案であれ、中継所の維持管理であれ、ゲーム遊び、暦や紙幣や天文図の印刷であれ、モンゴル帝国の統治者たちは普遍主義を貫いた。自分たち同時のシステムにこだわらなかった彼らは、どこからでも積極的にシステムを取り入れて組み合わせた。地域に根づいた文化的思考はなかったため、モンゴル人は思想信条よりも実用性を優先させた。一番うまくいくやり方を探し、それが見つかると領土全域に広めたのだった。
チンギスは戦争のしきたりを劇的に変えた。征服した貴族階級のリーダーたちを厚遇して下っ端の兵士を奴隷にするという慣例を変え、(後に謀反することの無いように)貴族を処刑して、兵士たちを自分の軍に組み入れた。そうすることで、兵卒の数を増やすと同時に、公平なリーダーとしての自身の立場を確立した。チンギスは敵兵をとりわけ厚遇したため、元のリーダーよりもチンギスにより忠誠心を持つようになった。
 
モンゴルではほとんどの遊牧民族は血縁からなる王族によって統治されていた。しかしチンギスは、血縁ではなく個人の能力と忠誠心に応じて、さまざまな部下に重要な責任を与えていた。貴族の称号を廃止し、階級制度も廃止し、すべての男性を平等にした。周囲の推薦無く家族を後任の部族長にした場合、死罪とした。法律という概念を初めて取り入れ、権力の乱用を禁じた。
 
忠誠心については、部下に求めると同時に自らも部下に忠誠を尽くした。部下を罰したことは一度もなかったし、敵の手下が主人を裏切ってそのクビを差し出してきたときも、裏切り自体を許さずその手下を死罪にした。
 
 
 
 
▶どんな文化にしたいか、と、誰を雇いたいか、は同じこと。
以前、slackの企業理念に遊び心とか団結心といったことも入っていたが、行動を促すものではなかった。CEOのバターフィールドは社員の意思決定を助けるような何かを入れたいと思っていた。それが、ある人が採用基準にしていたもの、「賢くて謙虚で勤勉で協力的な人」を探す、というのとぴったりだった。どれか2つだけでいけない。全てがそろっていないといけない。
* 賢さ:知能が高いということではなく、学ぶ姿勢がある、ということ。
* 謙虚さ:謙虚な人は自ら学ぶ。傲慢ではないということ。
* 勤勉さ:長時間働くことではない。仕事の間は効率よく、プロらしく集中してはたらくということ。
* 協力的:自らリーダーシップを取って、目の前の仕事をすすめるために協力するということ。従順であるということではない。
 
文化にあった社員を求めるために、amazon では「バーレイザー」という役割の人がいる。該当の職種の採用に関わりなく、フラットに候補者がamazonの企業文化に合っているか、を判断できる人だ。
 
 
▶蔓延する文化を変えるためには、見せしめが必要だ。
同僚や顧客に嘘をついてでも目標を達成する、という人が存在を許されていれば、それは会社に「嘘をついても良い」という文化があるということを意味する。そういう場合はどんなにその人が優秀でもクビにすべきだ。(というより、上の立場の人のほうが良い)それにより、何が合ってもウソを付くことは許されない、ということを明確に示せる。
もし、ありえないことをしている社員がいたら、企業文化がそれを許しているのだと思い出してほしい。
 
 
▶問題を隠す文化がある場合、「経営会議で一つ白状しなくてはならない」などの行動ルールを決めることで、徐々に変えていく
経営会議には参加したがるが、いいことしか言いたがらない、という文化が広がっているとき「参加者は炎上している案件を一つ以上報告すること」というルールを作ることで、積極的に悪い知らせを報告する文化に変わっていった。
「炎上している問題を把握できていないようなメンバーは経営会議に出る資格はないな」
 
 
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具体事例など、全然載せきれていないので詳細知りたい方は実際に読んでみてください。
 
なお、上記で紹介していた過去記事はこちらです。よろしければ読んで見てください。 
 

「生きる力」の強い子を育てる|天外伺朗

ビジネス書?と思われるかもしれませんが、マネジメントにも生きる本です。

最も、筆者は教育系の会社に勤めているのでその影響もあって読んだのですが、とても深い本でした。

 

また、もしお子様がいらっしゃれば、絶対に読んだほうが良いです!!

お子様の人生、きっと変わります。

「生きる力」の強い子を育てる

 

生きる力、とは?

「生きる力」というのは、ことばを換えれば「自己実現」に向かう力だ。自分の能力を伸ばすとともにそれを遺憾なく発揮し、思いを実現して、社会の中で意義のある活動をし、自らの位置づけを獲得していく力だ。
本当の意味での生きる力は、人間的魅力、積極性・行動力、バイタリティ、交渉力、自己肯定感である
 
 
ソニーで面接をした際、学歴を無視して本当に人物本位で判断すると、一流大学の成績優秀者はだいたい落ちる。クラブ活動や地域活動、卒論への取り組み方が大事。そこでの人間関係は、そのまま会社に持ち込まれるし、趣味にせよ何にせよ、夢中になって取り組む姿勢は仕事に生きる。 
 
 

教育、そして効率的な学びとは?

デューイによれば、人間は必要な状況になれば、自然と生きた知識を身に着けていく。その際に、子どもたちが夢中になって取り組むように環境を整える必要があり、そこに教師の並々ならぬ力量が問われる
  • 図形の工作中に面積を求める必要があれば、子供は自然と身に着けていく
  • 自分から能動的に調べることが生きる知識の獲得につながる
  • アメリカのチャータースクールは自由にどの教育を導入するかを選べる。チャータースクールの多くではデューイの教育を実践している
 
現在の日本の教育は国家主義教育。戦争や国家統一のために、必要な人材を作るための教育だった
  • 一方的に押し付け、「従う」ことを最も重要視する
  • ルールを守らない人はだめ
  • 今の学校教育は、命令に従うこと以外何も教えていない等しい
 
与える教育にたいしてルソーは、引き出す教育を提唱した。適切な環境を用意し、たっぷりと愛情注ぎ、自由を与えれば、子供は自然にのびのびが成長するという発想だ。Education の元になるeduceは引き出すという意味である。
 
人間は発達のプロセスの中で、それぞれのタイミングにふさわしい能力を、一つ一つ獲得するのが自然である。
  • その能力というのは意志の力、決断力、やる気、自らを肯定する力、創造力、感性などであり人間としての土台になる力である
 
12歳を過ぎるまでは一切のペーパーテストにさらさないほうがよい
  • 古い脳の能力が十分に発達するより前に、性急に新皮質が担当する論理操作を教え込むと、知能発達に障害を生じる可能性が高く、「生きる力」の弱い子が育ってくる。
  • それは土台を作らずに家を建てるようなものだ
  • 古い脳は身体能力や情動に直結しているので、早い頃から新皮質を鍛えるとそのあたりが弱くなる
 
誕生から7歳までは模倣で学ぶ時期であり、知識を過剰に与えたり、論理操作を訓練したりすると、意志の発達が不十分な、生きる力が弱い人間が育ってしまう
 
知識の習得を教育の中心に据えてはいけない。むしろ無意識の表出としての遊びと創造に道をゆずるべき。木工、美術、ダンス、音楽、ドラマなどを重視すべき
  • サドベリー教育を実践する学校では、子供たちが広いキャンパスのいたるところで朝から夕方まで遊びまわっている。勉強するには自分から先生にお願いしないといけない。そのため読み書きが出来ないまま10歳になる人もいる。しかし、そういう子どもも一度自ら授業を企画してまなぶと、通常の数十倍の効率で学習し、すぐに学問を身につける。座って勉強する時間はほんの僅かでいいのだ。
  • インプットではなく、アウトプットが大事
 
 
 

外から強制されると子供は閉ざし、そこで子供の自然な発達の止まる

子供たちがフローに入るためには、完全な自由を与えなければならない。
  • どこでいつ何をするか大人からの強制があってはならないのだ。
  • 子供が完全に自由であるためには、教師は消極的であること求められる
*これは、大人が他人を育てる場合も同じだろう。消極的介入のほうがよい
 
年齢別のクラス分けはしないほうがよい。
  • 子供は教師から教わるより、年長の子から多くを教わり、年少の子を指導することにより自らを高めていく
 
モンテッソーリ教育では、指示をおろか手助けすることも、間違いを訂正することもほめることもしない
  • 代わりに子どもたちに、完全な自由を保証する
  • 褒めてほしいという外発的欲求が強くなると、内側からこみあげてくる声である内発的動機が聞こえなくなる
  • ただし、自己否定に陥ってしまった子には褒めることは有効。しかし、それ以外の子にとっては褒めるのは逆効果である
 
外発的動機づけは簡単に弱まる。
とあるユダヤ人が、店の前に来ては毎日のように悪口を言う子供たちに「やめなさい」と言っても辞めなかった。ある日、1ドルを配った。翌日以降、日に日に金額を減らしていくと10セントになったところで誰も来なくなった。「悪口を言う」という行為に外発的動機づけが入ることで、インセンティブ構造が異なったためである
 
インディアンの成人に向けての修行の中に、100日間、ナイフだけで過ごすというものがある。100日後、全くの別人となって帰ってくる。
 
生きる力を十二分に引き出すには、0歳児からの教育が重要となる。専門家のいる保育園に預けるべき。
  • テレビに子守をさせるのは最悪。
  • モンテッソーリピアジェ、シュタイナー、フレーベル、斎藤公子の名を掲げる保育園があればベスト
 

無条件の受容により、安心感を感じながらのびのびと育つ。大人も、子どもも。

生まれた瞬間から30分間の間に、母親と過ごすことで、一生幸せを感じる子供になる。わずか30分でもその絆は一生続くという
  • バーストラウマというものがあり、赤ちゃんは生まれる瞬間が恐怖の瞬間である。
  • 赤ちゃんは、お母さんのお腹の中でぬくぬくと育っている。その後、子宮という狭い通路で締め付けられ、しかも生まれてからすぐに母親と離されることで、精神的にかなり追いつめられている。
  • 授乳は単なる栄養補給ではなく、赤ちゃんにとって最大限の精神的セラピーである
 
バーストラウマの軽減には、無条件の受容が必要
  • ありのままの子供を受け入れる。条件付きではない(いい子にしてたら好きだよ、とかはNG)
  • バーストラウマの軽減が生きる力を強めることにつながる
  • ときには本気で叱ることも重要。とにかく関心を強く持つ
 
経営者が、社員に対して無条件の受容を示すことが重要。ただし出来ている経営者は少ない。
  • 社員は安心感を感じ、十二分の力を発揮する
 
子供に関する真理は一つだけ。愛され、自由であり、自分自身であることを許されるなら素晴らしい人に育つ。
 
 

自ら学ぶことが、脳の強化に最も重要

幼児がミルクをこぼしてピチャピチャ遊びをしているとき、それに没頭していれば、子供はフローを体験している。それは重要な教育上とても大切なプロセスであり、それを「しつけ」、といって辞めさせるのは子供の成長を阻害している。
 
子供たちが衝動的に何かをしているとき、本人たちはその理由にまったく気づいていない。そのため、理由を取り出す事は意味がない。「なんでそれをやっているの?」という質問はしないこと。
 
ハイハイする動きは、親指を手の外側に出し、脳の活性化をするのに極めて重要。
ワニのような動きをすることで子供の脳は強化されていく。
 
大人が教えると、子どもの発達は止まる。あくまで自ら学ばせること。
 
祈りを行うことで大脳新皮質が活性化される。古代から祈りや歌、踊りは人間が行ってきた。
 
 
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丸暗記したい本でした。日本も、こういう教育を提供する社会になってほしいですし、大人はそうしないといけないと思います。
 

 

「生きる力」の強い子を育てる

「生きる力」の強い子を育てる

 

 

同系統ですが、こちらも最高の本でした。 

 

 

戦略がすべて(瀧本哲史)

とても若くしてこの世を去ってしまった瀧本さんの一冊です。切れ味のある書き方で、鋭い指摘が多いです。中でも私が「なるほど!」と思った内容を記載します。

物事を、一段、二段高いところから眺め、考えてみることで戦略、が見えてきます。

 

値段も安いので、まだ読んだことない方は是非ご一読ください。

 

戦略がすべて (新潮新書)

価値の厳選をシフトさせることで、自らの優位性を失わないまま、継続的な価値を提供し続ける

もともと、タレントは「個人」のビジネスだった。そのため、事務所がマーケティングを行い、タレントを売り込み、結果としてタレントが力をつけると、逆に所属事務所は立場が弱くなり、ギャラを上げざるを得なくなり、利益率が落ちる、という難しいビジネスだった。
 
それを秋元氏がAKB48で変えた。AKB48は「個人」ではなく「グループ」でタレントの価値が生まれるため、一人ひとりが力をつけにくくなった。一部力をつけたメンバーが卒業しても、AKBというプラットフォームに人気があるため穴埋めとして、新人が入っても大きな打撃はない。
人の好みはバラバラだし、流行は変わる。メンバーをコロコロ変えることで全てに対応することができる。
仕事のオファーは「AKBグループ」に来る。そのため、全員の稼働を平均して高めることができる。
 
大枠で言えば、宝塚や、コンサルティングファームも同じ仕組みである。
 
法律事務所がトップパートナーの名前を会社名に入れるのに対し、マッキンゼーでは、二代目社長のバウアーは社名を自分の名前に変えなかった。それは、トップが一番すごい、ということを社内外に示したくなく、かつ属人化したくなかったからである。同じく、ボストン・コンサルティング・グループも、創業者のブルースヘンダーソンは自分の名前を入れなかった。
 

プラットフォームをいかに作り、育てるか、が今後のビジネスでのキーになる

リアルのプラットフォームがこれから力を持ってくるのではないか。電鉄会社の中では東急が優れていると思う。なぜならばそのブランドメッセージが明確であるからである。
 
こう考えれば、国自体も1つのプラットフォームと言える。生まれた場所に一生とどまらなければならない時代ではなくなった。そうすると、国はいかに優秀な人材を惹きつけ、集めて国を成長させるか、で他国としのぎを削らなければならない。それは、国の政策自体にかかっているのである。
 
 

成長のためには多様性が重要となる。北海道はとても多様性がある街。

北海道は明治時代に開拓されるときに全国から様々な人が集まったため、今でも多様な人が住んでいる。標準語が基本であり、格差も日本標準レベルであり、また、都市部(札幌)に地方部から人が移り住む、という減少も日本の縮図となっている。そのために北海道はテストマーケティングによく使われている。北海道でうまく行けば、日本全国でもうまくいきやすい、ということだ。
 
セイコーマート(生鮮品を扱い始めたコンビニ。最後発ながら伸びており、大手も参考にしている)、コーチャンフォー(本や雑貨を扱う複合店)、農地改良ビジネス(東南アジアなどの土地を買い、土壌を農業向けに育て、販売するというビジネス)など、日本全国に先駆けたビジネスの発祥の地となっている。
 
今後も、ただ成果物を販売する(農作物のように)のではなく、そのノウハウを販売する(コンサルティングだったり、農地販売だったり)というビジネスが流行る可能性はあり、その際は製造業や小売業の日本企業にも大いにチャンスが有るだろう。
 
 
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おそらく、読者の前提知識により、「なるほど!」と思うポイントは全然違うと思います。個人的には、北海道の事例がとてもおもしろく、コーチャンフォーを思わず調べてしまいました。
 
 

 

戦略がすべて (新潮新書)

戦略がすべて (新潮新書)

  • 作者:瀧本 哲史
  • 発売日: 2015/12/16
  • メディア: 新書
 

 

 

また、瀧本さんといえば、先日これも話題になりましたね。まさか当日、本人が亡くなっているとは思わないので、とてもしんみりしながら読みました。

 

 

アフターデジタル(藤井保文)

筆者によると、中国での最新事例を踏まえると、「今後はオフライン、オンラインという境目は意識されなくなり、両方を融合することが今後生き残る道となる。ある顧客が、どこで何を手に取り、どのくらい迷い、どれを買うのか、どこに行くのか、などを、オンライン・オフライン全てにおいてデータをシームレスに連携することが重要となる。」とのことです。
 
本書では、まさにそれを事例ベースで紹介しています。中国におけるアフターデジタルに近い取り組み、を平安保険、DiDi、アリババ、フーマー、ビットオート、ジーマ信用などの例から、とても具体的に説明されています。
 
正直、断片的にしか把握していなかったのですが、全体像を知り、ここまですごいのか!と驚きました。日本はあっという間に中国に置いていかれているのだなあ、、と切実に思いました。
 

アフターデジタル オフラインのない時代に生き残る

抜粋と考察

近未来的なことが「デジタル体験側に軸足をおいて思考する」という共通概念を持った人々によってすでに生み出されている。
顧客は近ければ飲食店に直接行くし、時間がなければネットで買う。医者に行かなくてもスマホで問診できてそのまま医薬品がデリバリーされてきたり、たくさん運動したらそれが保険会社にシェアされて、保険料が安くなったりする。近くの医者を探し、評判を見て、予約する、そこまでがとても便利なアプリを作り、その情報を持って保険の営業マンは顧客にそれとなく連絡する。「最近お体の具合はどうですか?え、病院に行くんですか?大丈夫ですか?ご家族のことも考えて、保険を検討しませんか?」のように。営業効率は著しく向上する。(平安保険)
 
自分が正直に支払い、いい行いをコツコツ行えば、無駄な証明をしなくても自分が信頼できる人間だと理解してもらえる。ポイントは、スコアが低い人を罰する、ではなく、スコアが高い人に高いサービス(例えば個人融資など)を提供する、ということ。それにより、人々はより多くの個人データを提供するようになっていき、競合優位性が高まっていく。(ジーマ信用)
 
こうした「顧客にとって最も便利な体験」を提供することで、更に行動データがたまり、「自分にあったものをいつでも提示してくれる」「最適なタイミングで連絡をくれる」という、更に便利な状況を生んでいく。その根幹の社会状況の捉え方が、アフターデジタルであり、ビジネス思考法が、OMO(Online Merges with Offline)である。
 
アフターデジタル時代のビジネス原理
医療の場合、平安保険は、従来ほとんどユーザーとの接点がありませんでした。接点がなければデータを得ることはできないので、スマホのアプリを開発し、そうした状況を変えました。
医師による年中無休の無料問診や予約というキラーコンテンツと、ヘルスケア情報の閲覧及び、「歩くだけで貯まるポイントプログラム」という頻度の高い機能をアプリ上で融合させ、顧客との接点を作ったのですが。そして、顧客の利用履歴から把握した「属性、好み、状況」の情報を使って、営業員やマーケター、コールセンターと連動し、ベストなタイミングで顧客に新しい提案をすることが可能になりました。
 
移動の場合、DiDiは運転を接客の品質をスコアで可視化し、更にそのスコアをインセンティブにすることでより高い運転品質での移動体験を可能にしました。ユーザーとドライバーの相互評価にもなっているので、ユーザー側もキャンセルし続けたり態度を悪くしたりしにくく、かついいユーザーと良いドライバーがマッチングされる構造になっています。
 
これらの事例を踏まえると、アフターデジタル時代のビジネス原理は、次の2つにまとめることができる。
  1. 高頻度接点による行動データとエクスペリエンス品質のループを回すこと
  2. ターゲットだけでなく、最適ながタイミングで、最適なコンテンツを、最適なコミュニケーション形態で提供すること
 
また、さらなる工夫として、
DiDiでは、運転手は「何をどうすればスコアが上がるか」が開示されているので、ゲーム感覚で「いい運転手」を目指すことができます。
 
既存企業がOMOのために事業変革を目指す場合、社長直轄での会社変革が求められる。
平安保険では改革のために、CEOをUXがわかる人材に変え、そのうえでCEO直轄でプロジェクトを作りました。「マーケティング部」などの一部署が行うようなものではなく、全社の最優先プロジェクトにしないとうまくいきません。

 

 

いかがでしたでしょうか?正直書き写さないといけない部分が多く、写真で保存するほうが早かったので一部しか引用しませんでした。中国ビジネスに詳しくないなあ、と思っていらっしゃる方、是非一読をおすすめいたします。

 

 

 

永守重信の人材改革

永守氏が京都先端科学大学を改革する前後の話です。130億円の私財を投じ、潰れかけていた大学を使って大学改革を実行中。目指すのは、企業から必要とされる人材を生み出し、世界に誇れる大学です。
その大学改革の事例から、組織をいかに立て直すか、という永守イズムが学べます。
私も、これを機に永守さんの本を読みます。

永守重信の人材革命 実践力人材を育てる!

 
経営者は夢を語る仕事。
「ほらとウソは全く違う。ウソはウソ。詐欺師みたいなものだ。でも、ほらは、できると信じてやれば絶対にできる。夢は必ず実現する」
「夢を語るのが経営者の役割。常に絶対できると信じていること、それはホラでやってウソではない。だからこそ、人がついてくる。」
「会社の再建も大学の立て直しも一緒だ。最も重要なのは人心掌握」
 
 
永守氏が組織運営で大事にしていることはベクトルを合わせることだ。給料の高さ等の表層的な魅力では、より良い条件が提示されれば当然移っていく。だが志を共有し同じベクトルを向く人間は簡単には離れない。だから組織が、強固になる。
そのため永守氏は会社が掲げる理念や志に共鳴した人を集め、またそれらを浸透させるために、永守氏のモノの考え方や行動をまとめた「挑戦への道」、を12言語に翻訳して、世界に展開するほか、国内外の事業所やグループ企業に至るまで、社内セミナーや講義を繰り返し考え方を共有する。
 
 
現場の問題を把握し、解決策については権限移譲を行う。一方で責任は移譲してはならない。
永守氏の組織改革が重要になるのが、権限委譲だ。思い切って権限を委譲し、任せる。さらに管理職に対しても、部下への権限の委譲を迫る。任せて考えさせることで、人を育て、そして組織を動かし活性化させることを常としている。ただしそれは責任移譲とは違う。権限移譲するが責任は自分に持つのが重要である。権限委譲したからと責任まで部下に押し付ける管理職が多いのが実態である。
そのため、トップや管理職などの要職に就く人は、御用聞きになれと語る。報告が来るだろうと思うのは思い込みであり、自ら問題を見つけにいかねばならない。そのため足を使って御用聞きとしていろいろな話を聞きに行くべきである。
 
永守氏は大学改革においても、10~20名の職員とともに昼食懇談会という形で意見交換を行い、自分の考えを全ての人間に直接伝えるとともに、問題点を吸い上げている。全職員を対象に行い、1周で終わるわけではない。順番に、2周め、3周め、と続け、繰り返し、伝える。
 
 
「困難は解決策を連れてくる」
困難に直面したとき、弱気にならない。できる、と思い、言えば実際にできる。解決策を思いついたら、実際にやってみる。仮に失敗しても別の解決策が見えてくる。そのため、失敗を恐れない。
 
情に厚い
学生が失態を犯したとき、事務局長の藤塚氏には永守氏から直接電話がかかってきて、強く怒鳴られた。「お前の責任だろ。なぜしっかり見ていなかった」
そして2時間後、もう一度電話が。今度は口調も柔らかに、フォローをしてくれた。「先程は怒鳴ってしまったが、君に生徒のことは任せている。そのためしっかりやってほしい」
この両面のフォローが一人でできる、そして直接できることが、永守氏の強さだろう。
 
 
一部のみ抜粋し、具体事例はあまり触れませんでした。組織を立て直す、というのはとても難しく、経営力が最も問われる仕事だと思います。
 

TRUST 世界最先端の企業はいかに<信頼>を攻略したか(Rachel Botsman)

私達がメルカリでものを買うとき、相手が商品を送ってくるだろうか?それは詐欺ではないだろうか?という疑いを持つと思います。それでもお金を払い、取引をしてみるのは、過去のレビュー、そして何より、間にメルカリが入り、仲介してくれるからです。
それは、メルカリを信頼しているから。メルカリが、ある日突然閉鎖し、預かっているお金を持ち逃げするかもしれない、とは誰も思っていないと思います。
 
そんな、ある意味空気のように存在している「信頼」に焦点を当てた本書。時代とともに信頼のあり方が変わってきた、というところは、意識したことはなかったですが、なるほどと思わされました。
 

TRUST 世界最先端の企業はいかに〈信頼〉を攻略したか

 

 <要約>

信頼とは、未知のものとの確かな関係
信頼とは、未知のものに自信を持つこと

 

時代とともに信頼のあり方が変わってきた

信頼は3つの時期に分けられる。
最初は「ローカルな信頼」であり、私たちが小さなコミュニティに住み、顔見知りの人だけを信頼していた時である。
続いて、「制度への信頼」になった。私たちは役所や学校や、企業や報道を信じるようになった。
そして今、私たちは「分散された信頼」という第3のステージに入っている。それを可能にするのがレビューのシステムだ。一握りの権力者のお墨付きよりも、数多くのユーザーの意見を私たちは信じる。仮に多少の偏りがあったとしても。それが機能している最も顕著な例がダークネットにおけるドラッグ取引だ。
 

ビジネスにおいて、信頼はとても重要であり、信頼があることでシンプルにビジネスができる

2014年アリババが株式を上場したとき、ジャック・マーは信頼という言葉を何度も強調した。
「信頼。私達を信頼してほしい。市場を信頼し、若者を信頼してほしい」「もちろん、信頼は努力して得るものだ。信頼できれば、全てがシンプルになる。信頼できなければ、物事は複雑になる」

 

 

信頼に値するか、は有能性、頼りがい、正直さ、の3つの要素に左右される

ひとが信頼に値するかどうかを見極める際、3つの要素に左右される。その人は有能か?その人が頼りがいがあるか?その人は正直か?
  • 有能さとは、その人があることをやり遂げる能力があるかどうかだ。
  • 頼りがいとは、その人があなたのためにやると言ったことを必ずやるかどうかだ。その人に任せても大丈夫と確信を持てるかどうか。 

 

レビューの存在により、信頼のあり方が変わってきている。薬物取引が顕著な例だ

ダークネットが現れる前は、薬物の取引は知り合いの客にしか行われなかった。知り合いの紹介しか新しい客にならなかった。つまり、信頼は数名の個人の中だけに直接的に存在する。
それとは対照的に、ダークネットは開かれたネットワークだ。そこでの信頼はレビューや格付けといった定量的な基準で表される。それが、これまでの薬物的に必須とされた個人間の信頼の代わりになる。
 
相手の顔もわからないまま取引をするにも関わらず、レビューという機能の存在のせいか、ダークネットで取引された薬物の純度は、相対取引の純度よりも平均して高い。ダークネット上でのウリ文句も、普通の商品と変わらない。顧客満足度を大切にしています、のような記載が多く見られる。フェアトレードを行っています、のような記載すらある。
 

ブロックチェーンは信頼のあり方に革命を起こし、いくつかの職業が消滅するかもしれない

ブロックチェーンにより、もの自体に履歴が刻めるようになった。金融取引をはじめとする所有権移転が重要になる商品や、ダイヤモンドなどの真贋が重要な商品では、その移転を証明するために信頼される機関が存在している。銀行、政府、管理人などの第三者機関である。ブロックチェーンの台頭により、第三者機関の価値であった「取引への信頼性」は価値を失っていくだろう。そうすると、別の付加価値を見つけないと、その商売は消滅するかもしれない。
 
紛争地帯での違法労働問題も関係するダイヤモンドでは、すでにブロックチェーンが活用されている。
参考)
 
 
 
 
本書では、AirbnbUber、アリババやダークウェブを始め、数多くの事例をもとに、それぞれがいかに信頼を勝ち取ってきたか、を記載しながら信頼について説明しています。
言われてみれば確かに...と思わされます。 

 

というご紹介でした。