必読!おすすめビジネス書のご紹介

ビジネス書、何を読むべきか悩みますよね。ランキング上位を買ってみても、案外学びにならなかったり。そんな思いから、おすすめの本の概要を書くことにしました。外資系戦略コンサルなどで勤務した私が、おすすめの本をご紹介します!参考になれば幸いです!

The Self-Driven Child セルフドリブンチャイルド(William Stixrud)

 
子供を育てるのも、会社のチームの大人を育てるのも、本質は一緒だと思います。
 
子育ては科学的に説明されたものが少ないと感じますが、この本はとてもわかり易く、論理的に書かれています。
確かに!と思ったこれも、社会人でも同じですよね。「あ〜忙しい!」って言っている人ほどなかなか成長できず、だから忙しくなるという悪循環。
子供に何もさせない時間を作ることが大事。ともすると、親は良かれと習い事や勉強で子供の時間を埋めに行く。そうではなく、「ぼーっとする時間」を作ることが脳の発達には重要である。

セルフドリブン・チャイルド 脳科学が教える「子どもにまかせる」育て方

 
今回も、なるほど!と参考になったところを一部改変しながら抜粋します。
 
親は子供の上司や監督ではなく、コンサルタントと考えるべきだ。「それは君が決めることだ」、と繰り返し唱えて気づいてもらうことを目指す。そして子供が自分の中にあるモチベーションを見つけるのを助け、子供に自主性を与えるのだ。
 
 
人間の脳には、何もしていないときにだけ活性化されるデフォルトモードネットワーク(DMF)という機能があることが明らかになった。
まばたきをするたびにDMFが反応し、同時に意識のネットワークは短い休息をとる。目を閉じて大きく深呼吸するだけでも脳をリフレッシュすることができる。
DMFは内省するときに必ず働いている。人間の感情コントロールを育む上で極めて重要である。
 
 
子供に何もさせない時間を作ることが大事。ともすると、親は良かれと習い事や勉強で子供の時間を埋めに行く。そうではなく、「ぼーっとする時間」を作ることが脳の発達には重要である。同じく、孤独に耐え、1人で考えるのを楽しむことも、子供が学ぶべき重要なスキルである。
 
 
60年にわたる研究で、民主的子育てが最も有効な方法であることが証明されている。それは子供の自主性を重視し、服従より成長に価値を見出して、「君の成功のために手伝える事は何でもするが、何かを強制したりはしない」ことを誓う、というメッセージを送るスタイルだ。
「今日の宿題終わった?」と聞く代わりに、「今日は何か手伝うことある?知っておけば、私の夜の予定を変えるから教えてね。」というように。
 
20代の息子を持つある母親言った。「子供と喧嘩する価値なんてないわ。私がとても後悔しているのは、息子が家にいた最後の数年間、喧嘩ばかりしていたことだから。今戻れるのだったら、何かをやらせようとするのではなくて息子を楽しませるように頑張りたいと思う。」

 

小さい子供にも、自分がやることは自分でコントロールできる、とおもわせたほうがよい。例えば子供にカレンダーを与え大事なイベントを自分で書いてもらったり、1日ずつ消す線を引かせてみたり。

 

大人であれば、夫の機嫌が悪くても「機嫌が悪いだけで私に怒っているわけじゃない。」とわかるが、子供はそうは思えない。「お父さんの機嫌が悪いのは、きっと僕が悪いことをしたせいだ。お父さんは僕に怒っている」と考えがち。子供は優れた観察者だが、解釈は不得手なのだ。
 
瞑想は、子供のストレスを減らし、情緒の成長を助ける。2日に1度、10分の短い瞑想をしている子供は、ストレス、不安、うつの症状が著しく減り、怒りや敵意をあまり見せなくなることがわかった。彼らはよく眠り、健康的で学校の成績も良く、認知能力と学力のテストの結果も優れている。
 
これも社会人も同じですよね。疲れているときに目をこすって頑張るより、一回リフレッシュしてからのほうが効率がぐっと上がります。特に細かい数字を使う仕事のときはなおさら。
十分な睡眠は人間の生活において極めて重要である。アメリカがん協会は、夜勤の仕事を発がんの可能性があるものに分類している。
4時間眠った生徒に8時間を教えるより、8時間眠った生徒に4時間を教える方がはるかに効率が良い。
疲れているときは、何かしてもうまくいかないから眠るべきだ、と思える子供は、大体優秀である。
 
うちの子、2学年も先取りしてるの!という人はいるかも知れませんが、30歳が学ぶことを今学んでるんだ、っていう28歳はいない、という表現はなるほど、わかりやすい、と思いました。
行き過ぎた早期教育はしない方が良い。冷静に考えて2年後に普通に学校で教わることのために、子供の時間と親の金を費やすのは間違っていると思える。また、基本的にカリキュラムは発達の段階に応じて組まれているので、例えば大学生が学ぶべき内容を中学生に勉強させるのは脳科学的にも効率が悪いし、悪影響がある可能性がある。
急いで学ばせた事はやがて消えてしまう。それに、3年生の子供が5年生の内容やっていると自慢する親はいるが、30歳の内容ができていると自慢する28歳の親は見たことがない。
 
コンピューターは視覚情報の処理の仕方を変えてしまった。かつて本は直線的に読むものだったので1行ずつ気をそらさずに読んでいた。しかし人は、コンピューター上ではキーワードを探して結びつけていく、いわゆる拾い読みをしがちである。それに慣れてしまうと、複雑な文章を読むことができなくなってしまう。
 
大学進学実績を強調する学校・塾に行き、何も考えずに詰め込み教育を頑張り、受験を通って大学に行く...という人は多いですよね。しかし、筆者が言う通り、大学生=大人なので、お勉強以外にも大学に行く前に身に着けなければいけないことはたくさんあると思うのです。
特にアメリカでは大学生になれば家を出て一人暮らしをするのが普通らしいのでなおさら。
大学に進む準備ができているかどうか、は学力だけではなく、セルフコントロールできるかどうか、も重要なポイントである。1人で自分の行動をコントロールし、やるべきことをできるかどうか、自立しているか、を見極めるべきである。
親や先生に詰め込み教育をされた人は、その準備ができていないので大学に進んでもうまくいかずにドロップアウトする人が多い。まだ自分で自分をコントロールできない場合、ギャップイヤーをとっていろいろな経験をして成長したりするのも選択肢である。
 
偏差値で大学を選ぶ、点数で評価される、という時代は早く終わりになるといいですね。少なくとも自分の子供だけは、多様な軸で見てあげたいものです。
ドイツのように、職業訓練学校を経由してマイスターになる、という道も日本でももっと流行ってもいいと思うんですよ。みんな違ってみんないいので、ぜひそれぞれの強みを生かしてほしいです。
結局、今の教育システムは1つの軸でしか子供を測れない。アインシュタインは、「魚の能力を木登りで判断したら、魚は自分が愚か者だと信じて一生過ごすだろう」と言った。その人が得意なもので測らないと、自尊心もなくなり何事もうまくいかなくなってしまう。