「生きる力」の強い子を育てる|天外伺朗
ビジネス書?と思われるかもしれませんが、マネジメントにも生きる本です。
最も、筆者は教育系の会社に勤めているのでその影響もあって読んだのですが、とても深い本でした。
また、もしお子様がいらっしゃれば、絶対に読んだほうが良いです!!
お子様の人生、きっと変わります。
生きる力、とは?
「生きる力」というのは、ことばを換えれば「自己実現」に向かう力だ。自分の能力を伸ばすとともにそれを遺憾なく発揮し、思いを実現して、社会の中で意義のある活動をし、自らの位置づけを獲得していく力だ。
本当の意味での生きる力は、人間的魅力、積極性・行動力、バイタリティ、交渉力、自己肯定感である
ソニーで面接をした際、学歴を無視して本当に人物本位で判断すると、一流大学の成績優秀者はだいたい落ちる。クラブ活動や地域活動、卒論への取り組み方が大事。そこでの人間関係は、そのまま会社に持ち込まれるし、趣味にせよ何にせよ、夢中になって取り組む姿勢は仕事に生きる。
教育、そして効率的な学びとは?
デューイによれば、人間は必要な状況になれば、自然と生きた知識を身に着けていく。その際に、子どもたちが夢中になって取り組むように環境を整える必要があり、そこに教師の並々ならぬ力量が問われる
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図形の工作中に面積を求める必要があれば、子供は自然と身に着けていく
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自分から能動的に調べることが生きる知識の獲得につながる
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アメリカのチャータースクールは自由にどの教育を導入するかを選べる。チャータースクールの多くではデューイの教育を実践している
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一方的に押し付け、「従う」ことを最も重要視する
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ルールを守らない人はだめ
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今の学校教育は、命令に従うこと以外何も教えていない等しい
与える教育にたいしてルソーは、引き出す教育を提唱した。適切な環境を用意し、たっぷりと愛情注ぎ、自由を与えれば、子供は自然にのびのびが成長するという発想だ。Education の元になるeduceは引き出すという意味である。
人間は発達のプロセスの中で、それぞれのタイミングにふさわしい能力を、一つ一つ獲得するのが自然である。
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その能力というのは意志の力、決断力、やる気、自らを肯定する力、創造力、感性などであり人間としての土台になる力である
12歳を過ぎるまでは一切のペーパーテストにさらさないほうがよい
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古い脳の能力が十分に発達するより前に、性急に新皮質が担当する論理操作を教え込むと、知能発達に障害を生じる可能性が高く、「生きる力」の弱い子が育ってくる。
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それは土台を作らずに家を建てるようなものだ
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古い脳は身体能力や情動に直結しているので、早い頃から新皮質を鍛えるとそのあたりが弱くなる
誕生から7歳までは模倣で学ぶ時期であり、知識を過剰に与えたり、論理操作を訓練したりすると、意志の発達が不十分な、生きる力が弱い人間が育ってしまう
知識の習得を教育の中心に据えてはいけない。むしろ無意識の表出としての遊びと創造に道をゆずるべき。木工、美術、ダンス、音楽、ドラマなどを重視すべき
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サドベリー教育を実践する学校では、子供たちが広いキャンパスのいたるところで朝から夕方まで遊びまわっている。勉強するには自分から先生にお願いしないといけない。そのため読み書きが出来ないまま10歳になる人もいる。しかし、そういう子どもも一度自ら授業を企画してまなぶと、通常の数十倍の効率で学習し、すぐに学問を身につける。座って勉強する時間はほんの僅かでいいのだ。
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インプットではなく、アウトプットが大事
外から強制されると子供は閉ざし、そこで子供の自然な発達の止まる
子供たちがフローに入るためには、完全な自由を与えなければならない。
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どこでいつ何をするか大人からの強制があってはならないのだ。
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子供が完全に自由であるためには、教師は消極的であること求められる
*これは、大人が他人を育てる場合も同じだろう。消極的介入のほうがよい
年齢別のクラス分けはしないほうがよい。
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子供は教師から教わるより、年長の子から多くを教わり、年少の子を指導することにより自らを高めていく
モンテッソーリ教育では、指示をおろか手助けすることも、間違いを訂正することもほめることもしない
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代わりに子どもたちに、完全な自由を保証する
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褒めてほしいという外発的欲求が強くなると、内側からこみあげてくる声である内発的動機が聞こえなくなる
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ただし、自己否定に陥ってしまった子には褒めることは有効。しかし、それ以外の子にとっては褒めるのは逆効果である
外発的動機づけは簡単に弱まる。
とあるユダヤ人が、店の前に来ては毎日のように悪口を言う子供たちに「やめなさい」と言っても辞めなかった。ある日、1ドルを配った。翌日以降、日に日に金額を減らしていくと10セントになったところで誰も来なくなった。「悪口を言う」という行為に外発的動機づけが入ることで、インセンティブ構造が異なったためである
インディアンの成人に向けての修行の中に、100日間、ナイフだけで過ごすというものがある。100日後、全くの別人となって帰ってくる。
生きる力を十二分に引き出すには、0歳児からの教育が重要となる。専門家のいる保育園に預けるべき。
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テレビに子守をさせるのは最悪。
無条件の受容により、安心感を感じながらのびのびと育つ。大人も、子どもも。
生まれた瞬間から30分間の間に、母親と過ごすことで、一生幸せを感じる子供になる。わずか30分でもその絆は一生続くという
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バーストラウマというものがあり、赤ちゃんは生まれる瞬間が恐怖の瞬間である。
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赤ちゃんは、お母さんのお腹の中でぬくぬくと育っている。その後、子宮という狭い通路で締め付けられ、しかも生まれてからすぐに母親と離されることで、精神的にかなり追いつめられている。
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授乳は単なる栄養補給ではなく、赤ちゃんにとって最大限の精神的セラピーである
バーストラウマの軽減には、無条件の受容が必要
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ありのままの子供を受け入れる。条件付きではない(いい子にしてたら好きだよ、とかはNG)
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バーストラウマの軽減が生きる力を強めることにつながる
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ときには本気で叱ることも重要。とにかく関心を強く持つ
経営者が、社員に対して無条件の受容を示すことが重要。ただし出来ている経営者は少ない。
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社員は安心感を感じ、十二分の力を発揮する
子供に関する真理は一つだけ。愛され、自由であり、自分自身であることを許されるなら素晴らしい人に育つ。
自ら学ぶことが、脳の強化に最も重要
幼児がミルクをこぼしてピチャピチャ遊びをしているとき、それに没頭していれば、子供はフローを体験している。それは重要な教育上とても大切なプロセスであり、それを「しつけ」、といって辞めさせるのは子供の成長を阻害している。
子供たちが衝動的に何かをしているとき、本人たちはその理由にまったく気づいていない。そのため、理由を取り出す事は意味がない。「なんでそれをやっているの?」という質問はしないこと。
ハイハイする動きは、親指を手の外側に出し、脳の活性化をするのに極めて重要。
ワニのような動きをすることで子供の脳は強化されていく。
大人が教えると、子どもの発達は止まる。あくまで自ら学ばせること。
祈りを行うことで大脳新皮質が活性化される。古代から祈りや歌、踊りは人間が行ってきた。
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丸暗記したい本でした。日本も、こういう教育を提供する社会になってほしいですし、大人はそうしないといけないと思います。