必読!おすすめビジネス書のご紹介

ビジネス書、何を読むべきか悩みますよね。ランキング上位を買ってみても、案外学びにならなかったり。そんな思いから、おすすめの本の概要を書くことにしました。外資系戦略コンサルなどで勤務した私が、おすすめの本をご紹介します!参考になれば幸いです!

永守重信の人材改革

永守氏が京都先端科学大学を改革する前後の話です。130億円の私財を投じ、潰れかけていた大学を使って大学改革を実行中。目指すのは、企業から必要とされる人材を生み出し、世界に誇れる大学です。
その大学改革の事例から、組織をいかに立て直すか、という永守イズムが学べます。
私も、これを機に永守さんの本を読みます。

永守重信の人材革命 実践力人材を育てる!

 
経営者は夢を語る仕事。
「ほらとウソは全く違う。ウソはウソ。詐欺師みたいなものだ。でも、ほらは、できると信じてやれば絶対にできる。夢は必ず実現する」
「夢を語るのが経営者の役割。常に絶対できると信じていること、それはホラでやってウソではない。だからこそ、人がついてくる。」
「会社の再建も大学の立て直しも一緒だ。最も重要なのは人心掌握」
 
 
永守氏が組織運営で大事にしていることはベクトルを合わせることだ。給料の高さ等の表層的な魅力では、より良い条件が提示されれば当然移っていく。だが志を共有し同じベクトルを向く人間は簡単には離れない。だから組織が、強固になる。
そのため永守氏は会社が掲げる理念や志に共鳴した人を集め、またそれらを浸透させるために、永守氏のモノの考え方や行動をまとめた「挑戦への道」、を12言語に翻訳して、世界に展開するほか、国内外の事業所やグループ企業に至るまで、社内セミナーや講義を繰り返し考え方を共有する。
 
 
現場の問題を把握し、解決策については権限移譲を行う。一方で責任は移譲してはならない。
永守氏の組織改革が重要になるのが、権限委譲だ。思い切って権限を委譲し、任せる。さらに管理職に対しても、部下への権限の委譲を迫る。任せて考えさせることで、人を育て、そして組織を動かし活性化させることを常としている。ただしそれは責任移譲とは違う。権限移譲するが責任は自分に持つのが重要である。権限委譲したからと責任まで部下に押し付ける管理職が多いのが実態である。
そのため、トップや管理職などの要職に就く人は、御用聞きになれと語る。報告が来るだろうと思うのは思い込みであり、自ら問題を見つけにいかねばならない。そのため足を使って御用聞きとしていろいろな話を聞きに行くべきである。
 
永守氏は大学改革においても、10~20名の職員とともに昼食懇談会という形で意見交換を行い、自分の考えを全ての人間に直接伝えるとともに、問題点を吸い上げている。全職員を対象に行い、1周で終わるわけではない。順番に、2周め、3周め、と続け、繰り返し、伝える。
 
 
「困難は解決策を連れてくる」
困難に直面したとき、弱気にならない。できる、と思い、言えば実際にできる。解決策を思いついたら、実際にやってみる。仮に失敗しても別の解決策が見えてくる。そのため、失敗を恐れない。
 
情に厚い
学生が失態を犯したとき、事務局長の藤塚氏には永守氏から直接電話がかかってきて、強く怒鳴られた。「お前の責任だろ。なぜしっかり見ていなかった」
そして2時間後、もう一度電話が。今度は口調も柔らかに、フォローをしてくれた。「先程は怒鳴ってしまったが、君に生徒のことは任せている。そのためしっかりやってほしい」
この両面のフォローが一人でできる、そして直接できることが、永守氏の強さだろう。
 
 
一部のみ抜粋し、具体事例はあまり触れませんでした。組織を立て直す、というのはとても難しく、経営力が最も問われる仕事だと思います。