必読!おすすめビジネス書のご紹介

ビジネス書、何を読むべきか悩みますよね。ランキング上位を買ってみても、案外学びにならなかったり。そんな思いから、おすすめの本の概要を書くことにしました。外資系戦略コンサルなどで勤務した私が、おすすめの本をご紹介します!参考になれば幸いです!

イノベーション・オブ・ライフ(クレイトン・クリステンセン)

今は亡きクリステンセン教授の名著です。人生の価値とは?を深く考えさせられる本です。自分のキャリアや人生に悩んでいる方も、とくに悩みはないと思っている方も、是非手にとっていただきたいと思います。

 

クリステンセン教授の本はどれも素晴らしいです。追って、他にもご紹介します。

イノベーション・オブ・ライフ ハーバード・ビジネススクールを巣立つ君たちへ

 

抜粋

満足度の要因として、衛生要因と動機づけ要因があるが、動機づけ要因を主軸にキャリアを選ぶのがよい。
仕事の満足感に関して、ハーズバーグの理論では、衛生要因と動機づけ要因という2種類の要因を区別している。
衛生要因は下限を下回ると良くないが、逆にどんなに上回っても、満足度には直結しないという要因である。報酬はこちらに該当する。そのため一定の年収を下回ると著しく満足度が落ちる一方で、青天井で報酬をもらってもそれほど満足度には影響しない。他には、ステータスや企業の方針、管理方法等が衛生要因にあたる。
衛生要因をどんなに改善しても、満足度が上がると言う事は無い。不満がある、の反対は満足しているではなく、不満がない状態なのである。
 
逆に、動機づけ要因にはやりがいのある仕事、他者による評価、責任、自己成長などが含まれる。自分が仕事に有意義な貢献をしているという自負は、仕事そのものに内在する条件がもたらすものだ。動機づけは外からの働きかけや刺激とはほとんど関係がなく、自分自身の内面や仕事の内容と大いに関係がある。
 
キャリアを考える際、金銭(=衛生要因)を追い求めても、せいぜい仕事への失望感を和らげるに過ぎない。幸せを見つける秘訣は、「自分にとって有意義だと思える機会」を常に求め続けることにある。新しいことを学び、成功を重ね、ますます多くの責任を引き受けることができる機会だ。
「自分の愛することを仕事に選びなさい。そうすればあなたは一生のうち、1日も働く必要がなくなる。」
 
 
衛生要因と動機づけ要因の両方を満たす自分の道が見えるまでは、人生で実験しよう。
今後5年、10年のキャリアを1から10まで真面目に計画している人に出会うことがあるが、このような的を絞った意図的な計画は、実は特定の状況でしか意味をなさない。周囲の環境や自分の思想が大きく変わらないことを前提としているのだ。
自分の求める衛生要因と動機づけ要因の両方を与えてくれる仕事が既に見つかっているなら、将来の計画を立てるのも良いだろう。
 
一方で、まだ見つかっていない人は、創発的戦略を取る必要がある。別の言い方をすると、人生で実験せよということだ。一つ一つの経験から学びつつ、戦略を修正していくこれを素早く繰り返すのだ。これだと思う仕事が見つかるまで続けよう。キャリアを歩むうちに、自分がどのような分野の仕事なら好きになれるのか、輝けるのかがわかってくる。そのうちに動機づけ要因を最大限に高め、かつ衛生要因を満たせる分野がきっと見つかるだろう。外へ出ていろいろなことを試しながら、本当にやりたいことが見つかったらその時に意図的な選択に移行しよう。
 
私たちは皆プライベートな時間や労力、能力、財産といった資源を持っていて、これを使ってそれぞれの人生でいくつもの事業を育てていく。例えば家族と良い関係を築く、立派な子供を育てる、キャリアで成功する、地域社会に貢献するといったことだ。残念ながら資源には限りがあるため、企業の戦略と同じように我々も何にリソースを割くか考えなければならない。絶えず優先順位が取捨選択されている。
口で言っているだけでは戦略にならない。「企業の戦略を理解するには、その企業がやると言っていることではなく、実際にやっていることに目を向けろ」
 
 
学校改革がうまく行かないのは、「子どもたちは学校で何のジョブを片付けたいのか」という観点が抜けているから。成功したという達成感を得たい、友人との関係を作りたい、というジョブを子どもたちが達成するためにどうするか、を考えるべき。
学校教育でいろいろな改革がうまくいかないのはどうしてだろう?そもそも子供たちはどんな用事を片付けるために学校を雇っているのだろう。私が導いた結論は、学校に通う事は子供たちが片付けようとしている用事ではなく、手段であるということである。
子供が片付けなければならない用事は、成功したという達成感を得ること、また友人を作ることだ。これらの用事を雇うために学校が活用できるかどうか、それを考えているのではないだろうか。それであれば学校は、生徒が達成感を得られるように、また友人達と関係性を作れるようにサポートすべきである。学力を伸ばそうと思って学校に来ているわけでは無いのだ。
 
この観点から見ると、現在の学校や教員がこれらの生徒の用事を達成できてないことがわかる。テストで間違えたという経験は、達成感を得ることではなく、自信を失う経験となっている。
 
企業に最も重要なものは優先順位の決め方であり、それが会社の文化となる。
企業ができること・できないことを決定する要因は、資源、プロセス、優先事項の3つの分類のいずれかに当てはまる。そのうち最も大事なのは優先事項であり、社長から一般社員までが同じ優先事項を意識できているかどうか、が重要となる。
そのためには、幹部がじっくり時間をかけて明確で一貫した優先事項を打ち出し、組織全体で広く理解されるよう腐心しなくてはならない。またその優先順位を社員が守れるように、組織や制度設計をしておくべきである。
 
そして、その優先順位の決め方が会社の文化となる。
 
 
貴重な経験をアウトソーシングしすぎない。たとえ効率が悪くても、その経験は宝となる。
現代社会では、家庭で仕事をアウトソーシングした結果、子供たちが必要な試練を受けずに大人になってしまう。私は親が私に何をしてくれなかったのか、がとても重要だと思っている
 
母は、私の靴下に穴が空いた時、片方の靴下の直し方を実践しながら教えてくれた。そしてもう片方の靴下の修理を私に任せた。私は苦労しながらも修理することができた。
同じようにジーンズが破れた時も、直し方をしっかりと教えてくれたが、実際に直したのは私自身だった。針を通したら持っていらっしゃい、などと忙しい中で母は細切れに教えてくれた。その出来は悪かったかもしれないが、私は靴下やジーンズを見るたびに、「これは私が直したんだ」と自信を持っていたことを思い出す。
これは私の人生の決定的瞬間だった。私はこのときの経験から自分の問題は出来る限り自力で解決することを学び、自分の問題を自力で解決できるという自信を持ち、また自分がそれをやり遂げたことに誇りを感じた。
そして母親もきっと、この子が直したんだね、と私の破れたズボンを見て思ってくれていただろう。

 

 
経験はこの上ない学校となる
ある人物がその役職に「正しい資質を持っている」ということは、その人物が優れたスキルを持って生まれたからではない。むしろ、適切な経験を通して、大きな利害のかかった状況で挫折やストレスに対処する方法を学び、優れたスキルを磨いてきたからである。
マッコールの理論によれば、どんな状況に置かれた人でも、経験の学校で適切な口座を受講することで、成功する確率を高められる。
フォーチュン500企業に史上最年少でCEOとなったノーラン・アーチボルトは、大学生の時から成功する企業のCEOになるという明確な目標を持っていた。大学を卒業したとき、「これからどんな経験や問題を習得し、克服していけば、成功するCEOになる素養と能力を備えた人材になれるだろうか?」ということを自問した。そして彼は、同級生が誰も選ばないようなアスベスト鉱山の経営に携わった。困難な状況で働く人達を管理、指揮するという特定の経験を、経営トップになるまでに詰むべきと考えてのことだった。そしてその後も、その観点でキャリアを選んでいった。結果として、42歳でブラック&デッカーのCEOになり、その後24年間務め上げた。
 
親の思考や行動が、子ども、そして家庭の文化や価値観を形成する。
面白いことだが、大きくなった子供たちと何が1番大事だったかと言う話をすると、決まって親が覚えていないことを話す。一方で親が大事だろうと思っていた事は、大体子供は覚えていない。
つまり、子供たちは学ぶ準備ができたときに学ぶのであって、親が教える準備ができているときに学ぶわけではないのである。
そのため、親はいつでも自分たちの優先事項を子供たちと共有し、子供たちに分かってもらえるようにしなければならない。一度だけと思いながら家族の優先事項と忘れたことを自分がすると、子供はそれを見ていて家族の優先事項、価値観は守られなくなっていくだろう。
 
クリステンセン家は、子供たちと一緒に家を修繕すると言う過程を通して、家族としてどんなことを優先すべきか、どうやって問題を解決するか、家族の文化を共通で理解した。子供は親のしていることを見ていて、それを真似しそれが家族の文化になる。子供が兄弟を負かして欲しいものを手に入れたり、両親に口答えして不当な要求を飲ませたりする時、子供は短期的に成功したと感じるかもしれない。こうした行動を放っておく親はそれが家族内で許されていると子供に思わせてしまう。そしてそれが文化になる。
子供が大きくなるまでの間ずっと、家族文化に取り入れたいことは具体的にどういうことなのかを子供に意識して示し続けよう。家族のモットーを話し、実践しよう。
そのためには、何が正しいか、間違っているかをいつも気をつけて判断しなくてはいけない。

 

 

以上です!考えさせられますね。最後までお読みいただき、ありがとうございました!