必読!おすすめビジネス書のご紹介

ビジネス書、何を読むべきか悩みますよね。ランキング上位を買ってみても、案外学びにならなかったり。そんな思いから、おすすめの本の概要を書くことにしました。外資系戦略コンサルなどで勤務した私が、おすすめの本をご紹介します!参考になれば幸いです!

When 完璧なタイミングを科学する(ダニエル・ピンク)

モチベーション3.0 でおなじみの、ダニエル・ピンクさんの著書です。
「なにをどうやるか」よりも「いつやるか」のほうがよっぽど重要、という内容です。
 
印象的だったのは、学校の始業時間の話。10代の人間は、若干夜型らしいです(自分の経験からもうなずけます。)そんな人達に、7時台から授業を始める、というのは多大なストレスです。8時55分からの授業にしたところ、成績向上、退学者減少の効果が認められたとのこと。
このような学問的知識を活かしながら、教育も変わっていくべきですね。
 

When 完璧なタイミングを科学する

 
人のポジティブな気分は午前中に高まり、午後に落ち込み、夕方に再び高まる。文化も、大陸も関係なく、1日における変動は同じです。中でも、いい朝を迎えるための方法として具体的にアドバイスされています。どれも簡単なので実践しよう。
良い朝を迎えるための3つのアドバイス
1.目覚めたらコップ一杯の水を飲む
起きている時、全く水を取らないで8時間過ごす事は無いはずだ。しかし、寝ているときはそうなっている。起きたときはすぐに水を飲もう。
 
2.起き抜けにコーヒーを飲まない
目覚めた時、コルチゾールというストレスホルモンの分泌が始まる。カフェインはコルチゾールの分泌に干渉するため、コーヒーを飲むのは起床して1時間半後。また午後2時から4時位の間。がよい
 
3.朝日を浴びる
日光には幅広い色のスペクトルがあり、この特別な波長が目に入ると、人間の脳は睡眠ホルモンの分泌を中止し、覚醒ホルモンを分泌するようになる。
 

 

そして人間は午後の時間に集中力が落ちる傾向があります。
米国では、病院において午後の方が職員の平均手洗い回数が40%も落ちる。それにより本来であれば発生しないはずの感染者が年間で60万人も生まれている。
どの国でも平均して交通事故が起こりやすいタイミングが午後2時から午後4時にかけての時間である。
 
ただしその午後の時間でおいても、警戒心を強める小休止を規則的に作業に挟むことにより、必要な集中力を取り戻すことができます。これは取り入れたい。
退役軍人保健局では、ラミネート加工されたチェックリストカード、ホワイトボード、書面形式、壁に貼られたポスターなどのツールの利用が有効だった。
手術を行う前に数分間時間をとってそのカードを読み上げることにより、手術における死亡率が18%も低減した。 
 
 
 
コーヒー+20分の昼寝=フロー の法則
昼寝は私たちの脳を整える役割を果たす。昼寝をした後は注意力が高まるだけではなく、脳の学習能力を拡大する力もある。

理想的な昼寝の時間は10分から20分の間である。5分では疲労の軽減などの効果がほとんどないことが判明し、20分以上昼寝をすると睡眠慣性と呼ばれる代償を払うようになる。目覚めた後、頭がぼんやりと混乱した感じが残ることだ。

また昼寝をする直前にコーヒーを飲んだ場合は、起きる頃にちょうどカフェインが血液に摂取されるため眠気の予防とパフォーマンス向上のために理想的なことがわかった。そして私はナプチーノという、コーヒー後の昼寝を楽しむスタイルを支持するようになった。
 
 
仕事でも勉強でも、リフレッシュ休憩を入れることで脳の効率が大きく上がり成果が出ることがわかっています。下記の5つのリフレッシュ休憩から1つまたはいくつかを組み合わせて自分に最も適切な休憩を考案し、習慣付くまで、カレンダーに休憩を入れるのも有効です。
 <マイクロ休憩>
20-20-20:
 20分ごとに20メートル離れたものを20秒間見つめる。パソコンで仕事をしているなら目を休め、疲労を回復する効果も期待できる。
 
水分補給:
 コップはかなり小さいものを使うようにする。中身がなくなったら給水機まで歩き、水を入れる。これには水分を取る、体を動かす、エネルギーを回復させる、という3つの効能がある。
 
気持ちをリラックスさせるために体を揺り動かす:
 立ち上がって1分間、腕と足を揺らして筋肉を動かし、腰をぐるぐる回し、再び腰を下ろす。
 
<体を動かす>
1時間ごとに5分歩く
 
腕立て伏せ:
 1日2回、1日4回、1日6回と徐々に増やしていく。心拍数が上がり雑念が払われ、少しだけ力がつくだろう。
 
<自然に触れる>
外を歩く
 数分間時間が取れるなら、近くをぐるりと1周すると良い
 
外にいるつもりになって、窓から外の木々を眺める
 
<精神的にギアチェンジする>
瞑想:
 3分ほどの長さの瞑想を行う
 
意識的呼吸:
 大きく吸ってお腹を膨らませる。息を止め、5つ数を数えながらゆっくり息を吐き出す。これを4回繰り返す。これを意識的呼吸と呼び、ストレスホルモンを抑え、思考を研ぎ澄まし、免疫機能が高まる可能性もある。
 
 
授業時間を伸ばすよりも、始業時間を遅くし、リフレッシュのための休み時間をしっかりとる方が、生徒の学力も向上し、そして卒業率が高まり人生においても大きな影響があります。しかもコストが極めて低い。

10代の学生は、若干夜型であるのが普通である。そのため、朝7時30分から学校の授業が始まるのは脳の仕組み的に非効率となり、ストレスが溜まる。
アメリカの8つの学校で実験を行ったところ、始業時間を午前7時35分から午前8時55分に繰り下げた後、主要科目でテストの成績が向上し、生徒の自動車事故が70%減った。そして退学率も低くなった。

 
 
 
新人が増えて医療事故が起きるジュライエフェクトはチームで作業することで軽減できます。…でもあなたが患者なら、7月に病院に行くのは避ける方が良いですね。日本では4月でしょうか。

アメリカでは医学部の新卒者は、毎年7月に医者としてのキャリアをスタートさせる。その研修開始時に、患者は苦しめられることが多く、致命的な投薬ミスが10%も増える。そのためジュライエフェクトと呼ばれている。
一方で、新卒研修医が、ベテランの看護師や医師その他専門家で構成されるチームの一員として仕事をスタートするようにした病院は、ジュライエフェクトを著しく減少させている。

 
 
最悪のスタートを回避するためには、事前の検討が必要である。
あなたのチームがプロジェクトに乗り出すところだったとしよう。プロジェクトを開始する前に、事前検討のために全員で集まる。「今から1年半後、このプロジェクトが完全な失敗に終わったと想像してもらいたい。何がいけなかったのだろうか?」チームはいくつか仮説を出していく。それを議論することで、見込まれる問題をいくつか予期することができるし、プロジェクト開始後にそれを避けられる。
 
 
 
人間は、何かを経験するとき、最後の瞬間の体験・感情を最も強く記憶します。ダニエル・カーネマンはこれを「持続時間の無視」と呼びました。
人間は最後に起きたことを過大評価するのである。
  • トリップアドバイザーのレビューでは、レストランの最後の瞬間の投稿が極めて多い。思いがけないデザートをもらった、支払いが間違っていた、忘れ物を届けてくれたなど。
  • 大統領の選挙においても、任期4年間の実績ではなく、最終年の経済状況によって有権者が投票先を決めることが調査結果からわかっている
いい知らせと悪い知らせがある時、どちらから先に聞きたいだろうか?
調査の結果、
80%の人が、悪い知らせを先に聞いて、最後にいい知らせを聞きたいということがわかった。ところが伝える側は、逆のことをしがちである。
 
 
グループのメンバーが所属性が高いと感じている方がチームの成果が出やすい。所属性を高める4つのテクニックは…
1.メールに迅速に返信する
部下は、上司からのメール返信のスピードによって満足度が変わる。スピードが遅いほど部下はその上司に不満を抱く。
 
2.苦労話をする。
集団の結束を強める方法の1つはストーリーを語ることだ。成功談でなくても、失敗談や苦労話も所属意識を育む。
 
3.グループが決めた決まり事を守る
トップが企画したり押し付けたものではなく、グループの間から現れた決まりを守ることで、所属意識が高まる。
 
4.ジグソー法を試してみる。
どんな種類のグループワークを行うことでも共同作業を推進できる。例えばアブラハム・リンカーンの人生について学習する授業であれば、リンカーンの人生を5つに区切り、生徒グループに一つの調査のテーマを割り当てる。次にグループごとの調査結果を発表する。それにより一体感が高まるのである。
この学習方法のカギは、相互依存で構築されている点である。自分たちだけが頑張っても他の生徒たちの頑張りがないと学習が完結しない。
この仕組みは多くの職場でも使えるはずだ。

 

言語が行動に大きく影響する。言語は文化なので、直感的にはそのとおりだなと思います。しかし、未来形という文法に着目するのは、なるほど、と思ってしまいました。
 
キース・チェンは言語により人々の行動は異なると
いう研究結果を発表した。36の言語を、未来形が明確に使われる英語やフランス語のような言語と、未来形が曖昧または全く存在しない日本語や中国語、ドイツ語に分類した。次にそれぞれの国民性を分析した結果、未来形をはっきり示さない人々は、区別する人たちと比べて、貯蓄をする人が30%多く、喫煙者は24%少なかった。そして定年後も健康で経済的に恵まれていた。因果関係は不明であるが、そのような傾向があることが分かった。
 
これは、現在と未来を明確に意識しないという暗黙の思考があるために、現在の自分と未来の自分はイコールであり、未来の自分のために行動するということが行われたのではないでしょうか?

 

 

内容が濃い本は長文になりがちですね。ありがとうございました!