必読!おすすめビジネス書のご紹介

ビジネス書、何を読むべきか悩みますよね。ランキング上位を買ってみても、案外学びにならなかったり。そんな思いから、おすすめの本の概要を書くことにしました。外資系戦略コンサルなどで勤務した私が、おすすめの本をご紹介します!参考になれば幸いです!

サイバーエージェント 突き抜けたリーダーが育つしくみ(上阪 徹)

どうやれば、若手社員が圧倒的な力をつけるのだろう...
そこをとことん考えて実践しているサイバーエージェントが、どのようにやっているのかということが具体例やインタビューをもとにとてもわかり易く書かれています。
 
これを知っていれば、当時の自分もサイバーエージェントに入りたいと思ったに違いないです。ただこの仕組みだけ取り入れてもうまく行かないと思いますが、その目的を理解した上で、少しずつ自社にも取り入れていきたいですね。
 

サイバーエージェント 突き抜けたリーダーが育つしくみ なぜ、経営人材と新規事業が続々生み出されるのか?

 

抜粋と考察

困った事は他の人に相談せよ、と若いうちから言われます。「相談したいですと言われて嫌な気持ちになる人はいないから」と書かれていましたが、たしかにそのとおりですね。
20代で取締役に就任した時、社長の藤田に、「君は他の役員とは圧倒的な差がある。それは経験の差だ。しかも経験の差は埋まらない。でもがんばってね。」と言われた。悔しかったが事実であり、必死でやろう、と思えた。
サイバーエージェントでは、取締役が頻繁に交代します。普通の会社では「偉い人」という存在の取締役も、一つの経験、と位置づけています。
藤田は取締役を定期的に交代する。取締役はあがりのポジションではなく、「経験」なのである。取締役を外れた人もそれを理解しているので、わだかまりは起きない。むしろ若い人にチャレンジを積ませるために重要だ、と理解している
 
人を育てるには、研修よりも環境を。
人が成長するには、どれだけ決断を迫られる経験をしたかが重要である。人から話を聞く研修では、人は育たない。そのため、集合研修の代わりに、経験を積むための環境を用意することにした。
 
それは、若手を子会社の重要ポジションに任命し、アドバイスはするが、指示はしない、という方法で徹底的に考えさせ、経験を積ませることである。
 
 
大きなプロジェクトのゴールは、数値ではないもので決めたほうがズレにくい。
新規事業プランコンテスト立案のゴールを決めるとき、定性的な目標として、社長の藤田が、「今日はすごくいい案があった!」と言ってくれること、を目標にした。とても分かりやすいし、ずれない。100件の応募があるなどの目標は通過点に過ぎないので、そういう数を大目標にしない方が良い。
 
そのコンテストに、多い時は1000件もの新規事業案が集まる。それだけ集めるコツは応募のハードルをとにかく下げること。
皆、仕事が忙しい中で応募するので、手間がかかったら応募してくれない。また内容も緩くても構わない。サイバーエージェントでは何をやるか、よりも、誰がやるかの方が大事であり、立候補するような熱意がある人であれば、大抵成功するだろうと思われている。そのため、詳細を詰めて提案するよりも、思いを提案されたほうが、見る側も判断しやすい。
 
社員の思い、意欲を大切に。
会社として本人の希望を尊重する意識がある。どの上司も面談や雑談の場で、君は何がしたいの?と言うことを聞くようにしていて、しかもそれが社長まで共有される。例えば、僕は経営をやりたいと言っている若手社員がいた時、会社で新しい事業を立ち上げる話が出たときに、自然と経営陣がその声を思い出し、「ならあいつに任せてみるか」と抜擢が決まったりする。
全社員の健康状態や、精神状態を把握するためにGEPPOと言うサービスを作成し、毎月社員アンケートをとっている。現在の心理状態を答えたり、異動希望ややりたいことの希望も書くことができる。
 
ただし運用上で注意しているのは、「それは聞くツール」ではなく、「信頼関係を作るためのコミニケーションツール」であるということである。そのため、そこで書かれていたことには極力素早く対応するし、悩みがあれば聞いてあげるようにしている。そうしないと回答率も下がってしまうし素直に変えてくれないと思っている。
 
子会社を持つ、と言っても、明確なルールがないと作ったはいいが管理できない、うまくいかない、ということになります。そこは意思とは関係のないルールを入れることで、ガバナンスを効かせています。
子会社を数多く持つサイバーエージェントでは、設立を簡単にしている一方で、撤退のルールや資金繰りを徹底的に管理している。今では、時価総額を基準にして社内のランクが10段階でつけられており、設立から1年で総額が何倍にならないと撤退だったり、3年連続でランクが上がらないと撤退などのルールが決まっている。
また親会社が子会社に資金を融資する際も、ベンチャーキャピタルが出資するような感覚で審査がされる。
何よりも子会社の社長たちにとって良い場は、全ての子会社がランクごとに集まる月例会議である。その場で進捗を共有するとともに、他の人からの刺激を受ける。自分の事業が2倍になって誇らしく発表したとしても、上には上がいる。それを知り、気を引き締める。そして良いアドバイスも受けられる。これがサイバーエージェントで起業するメリットなのである。
 
 

読んでみて、新しい発見が多かったです。こうして人材が育てば、どの事業をやっていても成功しそうです。

社長の藤田さんの経験を描いたこちらも、読みやすいし、自分も頑張ろう!と思えます。500円くらいなので、ぜひ。 

渋谷ではたらく社長の告白〈新装版〉

渋谷ではたらく社長の告白〈新装版〉

 

 

本日も読んでいただきありがとうございました。

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