必読!おすすめビジネス書のご紹介

ビジネス書、何を読むべきか悩みますよね。ランキング上位を買ってみても、案外学びにならなかったり。そんな思いから、おすすめの本の概要を書くことにしました。外資系戦略コンサルなどで勤務した私が、おすすめの本をご紹介します!参考になれば幸いです!

成功しなきゃ、おかしい From impossible to inevitable (Aaron Ross、神田昌典)

今回はSaaS企業の教科書とも言える一冊です。

本自体はとても分厚いのですが、すごく面白い、そして何より学びになります。

 

成功しなきゃ、おかしい

ニッチとは焦点を絞りこむことであり、小さくすることではない

ニッチを決めること、は小さく考えること、ではない。ニッチとは焦点を絞り込むことであり、 特定のペインを抱えている特定のターゲットに絞り込むことである。

焦点を絞り込み、顧客を獲得して、はっきりした成果を出して信用を確立することでハイパー成長は始まる。

  • セールスフォースは営業支援オートメーションから
  • PayPalはeBayの利用者を対象で開始
  • ゼネフィッツはカリフォルニア州にある社員100から300人のテクノロジー企業を対象から

 

ニッチを決めるときは、これまでの事例を見て分析し、 1つに絞る

この表を埋めるようなイメージで記載していく。

ニッチ

 

ポイントとなるのは、ペインをソリューションや成果ときっぱり分けて考えること。 事務作業が自動化されていない、 と言うのは単なる事実であり、ミスが起こりやすいというのがペインである。

有望そうな案件を複数見つけた場合でも、それぞれを進めるよりも、第一の案件を深く掘り下げる方が学びが多いことを忘れないように。

 

また、実行するときは、「今は学ぶ時であり、成長はその後」を意識。 この時に 10件案件が取れたからといって、再現性がなければ何の意味もない。逆に 1件しか取れなくても、再現性があるとわかればそれで良い。

 

20人インタビューのルール

計画の初期段階にいるのであれば、実際の潜在見込み客20人に話を聞く。

 

最初の5人へのインタビューは、入り込める余地やいまある案件をしっかり把握する。

次の5人へのインタビューで、そのパターン認識が合っているか確認する。

続く10人へのインタビューで、売り込み方や伝えたいことを磨いていく。買い手の視点からしっかりとニーズを把握し、微妙な違いや課題を突き止めたら、いよいよ売り込む。その実践練習が最後の10人のインタビュー目的である。 ないと困るものだけにし、あったらいいなを全てふるい落とす。

 

このインタビューを手抜きすると、後から会社全体で失敗する確率が高まる。 営業だけではなく、組織や広報、採用などあらゆるところに波及してしまう。

 

エレベーターピッチは、もどかしくて当たり前

こういう【課題/問題】があることをご存知でしょうか?

弊社はこんな【ソリューション】があります。

例えば、【こういうところでこのように】使われています。

 

これで十分。これを、相手に興味がある中身に変えていく。

システムの機能が充実しているがゆえに、初めて使う顧客が戸惑い、その問い合わせへの対応コストが大きいこと、一方でその細かな改善にエンジニアリソースを割くのは優先順位からして難しい、という問題があることをご存知でしょうか? 


弊社には、システムの上に重ねるマスキングのようなものをコーディング無しで作成でき、顧客が迷わないように画面上で丁寧に自動ガイドするソリューションがあります。加えて、分析機能で顧客が困っているところをピンポイントで見つける事ができます。


超一流企業で実際に使われており、問い合わせ数を50%削減することに成功しています。

※テックタッチという会社をイメージして書くとこんな感じ。

https://techtouch.jp/

 

実際に話すときは、間を空けることを意識し、自社の事ではなく、相手が気にしていること、相手が知りたいことについて話すべき。

上の例では「僕たちはテクニカルガイドを作っている会社で」...ではなく、

 「お客様からの問合わせ、それも入力内容や注意点についての問い合わせが多くてお困りではないですか?また、それらへの対応でエンジニア工数が割かれており、将来の投資にリソースが使えないという課題は無いでしょうか?


実はこういう解決策が有るんです。あの会社では実際に問い合わせ件数が半減する効果があったようです。コストも下がり、顧客満足度も上がり、素晴らしい成果でした。」
 

リードは複数を同時に使う。一つにこだわらない。

リードには3種類ある。それぞれ良し悪しが異なるため、こだわらずに全部やる。

  1. シード(種):口コミ、ネットワーク、人脈などからの紹介。カスタマーサクセスが重要な打ち手になる。
  2. ネット(網):1対多のマーケティング。インバウンドマーケティング
  3. スピア(槍):ターゲットを絞ったアウトバウンドマーケティング

 

それぞれ、ファネル、コンバージョン、要望、営業サイクル、平均契約規模、理想ターゲット顧客、増やし方、が異なる。自社にとって最適なタイプのリードとその組み合わせ、それぞれへの投資、を知ることが重要になる。

要は、試して分析するべし。

 

インバウンドマーケティングのポイント

顧客の購入ステージを3つに分け、それぞれでアプローチを変える。

初期は「なぜ」。なぜ、そのプロダクトに関心を持たなければならないのか。なぜ、現状を変えないといけないのか。

コンテンツは楽しくて役に立つものである必要がある。(自社や自社のプロダクトをアピールするものではない)マルケトでは「優秀なマーケターになる方法」を伝えた。

 

中期は「どうやって」 プロダクトを自分たちのビジネスにどう実装すればいいのか、詳しく知りたがるフェーズ。どんな選択肢があり、成果を得るためにはどうしたらいいのか、がわかるコンテンツにすべきである。より良い購買決定につながるものにする。

プロダクトの細かい説明、導入方法、第三者によるレポート(お墨付き)など。

 

後期は「どれにするか」 相手は購入する気になりつつあり、どれにしようか、決めようとしている。ここでは自社のことをしっかり伝えるコンテンツにすべきだ。なぜ他社より優れているか、どうやて成果を保証できるのか。相手が社内で「これにします」を説明できるようにしたい。

 

やはりコンテンツがものを言う

コンテンツは自社のためではなく、読み手のために書く。読み手が抱えている最大の問題を解決するようなコンテンツにする。

上司を喜ばせるのではなく読み手を喜ばせる。実際の顧客からのフィードバックも忘れずに。

コンテンツは実際に役立つものほどよい。

定期的に更新する。頻度ではなく、更新している事実が重要。

いきなり大きなものを食べる気にならない。まずは一口サイズから。

 

そして何より、「人間味」を出す。差別化されないと面白くない。特に一斉メールほど、(ちょっとミスする、とか砕けた表現を使う、とか、)人間味が合ったほうがいい。

 

アウトバウンドアプローチはPMFのあと。

アウトバウンドリードの獲得が有効なのは、ニッチを決め、プロダクトマーケットフィットしてから。 インバウンドは紹介さえあればうまくいくことが多いが、アウトバウンドはそうはいかない。

相手のペイン、自分たちのソリューション、それが交わるところがターゲットとすべきニッチである。

 

アウトバウンドするときは、試行錯誤でベストを探す

アウトバウンドマーケティングする場合、短期になってはならない。勝ち筋が見つかるまではじっくりと、A/Bテストを重ねながら、内容、成果、ツール、重要メトリクス、を開発すること。

試行錯誤が重要なため、現場担当者をコントロールしすぎない。自由度をもたせ、各自が学びながらベストを見つけ、それを共有し合うような文化にすべし。

何より、開拓担当者と、営業担当社の関係を親密にしておくこと。ここの連携が弱いと互いに配慮がなくなり、ギスギスし、絶対にうまくいかない。

 

アウトバウンドにリソースを貼る。期待する結果も明確に。

クィアという会社では、3人でアウトバウンドマーケティングを始めてみた。成果が出てきたため1年以内に大幅増員し、10倍の30人にした。比例するように成果が出た。

開拓担当者が期待されていることは...

  • アウトバウンドのコールドメールを月800通
  • アウトバウンドコールを月400件
  • SNSでの接触と幹部個人宛のメールを組み合わせる
  • インフルエンサーと営業担当社の間での電話を月20件セッティング
  • 営業担当者に渡してフォローしてもらえた、有望見込み客が月15件(フォローするかどうか、はセールスが決める)

同社ではこの部門を営業担当者の新人研修の場としても使った。会社のことを知ることができ、更に成果も出て、とてもうまく機能した。

注意点としては、

  • 開拓担当者は開拓のみを行う。インバウンドへの対応や、営業などは行わない。
  • 小さな案件は避ける、大きい取引を探る。
  • 担当者どうしがお互いの声が聞こえるくらいで仕事をする。お互いのやり方を学び合えるように。
  • メトリクスを公表する。皆、感覚的に誰がうまくやっていて、誰がサポートを必要としているか知っている。それを公開したほうが良い学びの場になる

 

導入事例が増えるにつれて、客層が変わり、ニーズが変わる

初期の顧客は、自ら理解をしよう、使いこなそう、と思ってくれる。そのため、自分たちの説明をし、共感してもらい、あとは先方に頑張ってもらう、で済んでいた。

一方で、メインストリームの顧客は受け身の姿勢に近く、わかりやすく説明してほしいと思っている、そして細かく説明を求める。また、社内を説明、説得するためにこちらからサポートしないといけない。

「導入するために必要な手続き、必要な情報」を全て突き止め、その全てをサポートする営業を行う必要がある。

その差を理解しつつ動き方を変えないと、うまく進まなくなってしまう。

アーリーアダプターとマジョリティの違い

営業組織は、業務特化させることで生産性が向上する

少なくとも4つに特化したほうがよい。圧倒的に生産性があがるから、だ。

また、経営陣にとっては予測可能になる、というメリットも大きい。分けることで、どのチームをどれだけ増やせばどのくらい売上に響く、というデータが取りやすくなる。

  • インバウンドリードの絞り込み
  • アウトバウンドリード開拓
  • 新案件のクロージング
  • カスタマーサクセス, 顧客管理

とはいえ営業社員が2名しかいない、、という場合。そういうときは一人の中で時間を区切り、特化するようにする。

例|毎日2時間確保し、その間はアウトバウンドリード開拓だけを行う。その際は他の業務は一切行わない

また、特化業務の場合、その間に問題が潜んでいる。「リード1件」の定義を何にするか。

それは受け取り手側に判断させるほうが良い。つまり、「アウトバウンドリード、がいいのか、だめなのか、は営業担当がそのアウトバウンドリードに営業を仕掛けたくなるかで判断する」ということ。ノルマを設定するときこそ、その点を意識する。

 

大企業への営業サイクルを加速させる5つのコツ

  1. 支持者を見つけ、その人が社内を説得できるよう支援する
    1. その企業で発言力のある人物を見つけたとき、その人に売り込むではなく、その人が自分の部門を説得できるプランを練る。
  2. 早く購入してくれそうな相手に絞り込む
    1. 営業サイクルの加速化、は不可能。なぜならそれは相手のプロセスの話だから。そうではなく、最初から動きが早そうな顧客を狙うべき。それには3が関連してくる。
  3. 理想の顧客像を明確にする
    1. 顧客のペインとソリューション、期待する効果などを記載した、前述のニッチマトリックスを最新なものにし、「購入する」か「ひやかしのみ」の具体的な違いを見極めたら、購入する顧客のみにターゲットを絞る。(まずは。)
  4. ノー、という相手は「よくわかっていない」。
    1. 強く印象づけるのではなく、「わかりやすくする」こと。理解してもらえないと何も進まない。
  5. 百聞は一見に如かず
    1. 口頭説明を減らし、見せるもの、証拠をなるべく多く揃える
    2. 実際のデモを見てもらう、動画を見せる、など。

 

大企業はサポート費もしっかり払うのが普通

大企業はサポート費をしっかり払う。それは年間契約の15~20%、かなりの金額になりうる。その分しっかり請求していくべき。

先方もお金を払ってもよいがサポートをしっかりやってほしい(自分たちでイチから学ぶのは効率が悪い)と思っている。

 

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以上です!

 

出典

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