必読!おすすめビジネス書のご紹介

ビジネス書、何を読むべきか悩みますよね。ランキング上位を買ってみても、案外学びにならなかったり。そんな思いから、おすすめの本の概要を書くことにしました。外資系戦略コンサルなどで勤務した私が、おすすめの本をご紹介します!参考になれば幸いです!

情熱、熱意、執念の経営(永守重信)

以前、こちらでご紹介した永守重信さんの別の本です。私の把握する限り、ご自身で書いた、またはご自身の言葉を本にしたものはこの2冊しかないかと思います。

 

  

今回の本は会社を経営する上で、永守さんが考えてきたことが単発ベースで記載されています。半ページごとに異なる内容が書かれており、面白いです。

いいな、と思ったところはメモを取り、何度も読み返すと良いのではないかと思います。

 

情熱・熱意・執念の経営 すぐやる! 必ずやる! 出来るまでやる!

できる、できる、できる

創業後しばらくは技術力も高くなく、「引き合いをいただいた案件ができるか」と技術者に聞くと、「出来ません」「わかりません」、の答えしか返ってきませんでした。しかし、そんな気持ちでは本当にできなくなります。
そこで私は、「できる気持ちになるまで、一緒にできる、と何百回でも叫ぼう」と話し、実際に5百回くらい叫びました。そうすると不思議とできる自信が湧いてくるのです。
嘘のような本当の話です。
 
 
新人時代に感激したこと
私がサラリーマンの新人時代に、今も鮮明に覚えている出来事がありました。ある日、社長と廊下ですれ違った時に「永守くん」と呼ばれ、「君の作ったモーターは音が大きいなぁ」、と声をかけてもらったのです。社長が入社したばかりの自分の名前だけでなく、どんな仕事をしているのかも知ってくれていると言う事実に、感激してしまいました。
私はこの体験を教訓に、たとえ新人の社員であっても名前で呼びかけ、一言私の方から気軽に声をかけるように努力しています。
 
学校の成績は度外視
我社は創業以来、新卒採用のために1度もペーパーテストを行ったことがありません。すべて面接での決着です。それは創業間もない頃に、一般の会社がするような学科試験や常識テストを実施して、点数の良い順に採用したのでは絶対に大企業には勝てないと考えたことが発端でした。
どうしたら他社が見過ごしてしまうような良い人材が取れるだろうかといろいろ試行錯誤を重ねた中で、大声試験や早食い試験が生まれてきたのです。
 
自由参加で自己負担ありの社内研修会
私は規模の拡大に応じた人材の育成さえできれば、目標よりもさらにスピードアップして成長できると考えています。そこでわが社では他の経費を削ってでも社員教育を充実させようと、年間52週のうち35週前後の土曜、日曜に1泊2日の研修会を実施しており、私はこの日曜の午後の講師を受け持っています。内容は意識向上のための研修が主となっており、テーマを与えて議論するのがメインです。自由参加の上、費用の1割は本人負担ですが、毎回盛況です。
 
教育しても無駄な人
私なりの基準で社員を2つのタイプに分類すると、叱りがいある社員と叱りがいのない社員ということになります。では叱りがいがなく、教育する価値がない人はどういう人でしょうか?
・叱ると言い訳ばかりする人
・叱られても平気でいる人
・他人が叱られても無関心な人
・他人を叱ることができない人
・プライベートの部分で口を閉ざす人
これらの人には叱るエネルギーを使うほうがもったいないのです。
 
公私混同は厳禁
経営者が肝に銘じておかなければならないことの1つに、公私を混同してはいけないことがあります。特にベンチャー企業の活力や将来性に憧れて入社してくる人たちを裏切らないためにも、公私の区別をはっきりさせることが大切です。
例えば会社の金で豪華な食事を振る舞うよりも、社長の金で赤ちょうちんのお店に連れて行くべきです。若い社員ほどそうした金の出所に敏感で、ご馳走になるよりも給料を上げてほしいと考えます。この辺の機微を理解しないと優秀な社員ほど辞めてしまうに違いありません。
 
価値は勝ちに通じる
ベンチャー企業が越えなければならない関門の1つが、たとえ価格を高くしても買ってもらえるお客様を確保することです。
必要になるのが、希少価値や付加価値といった価値の創造で、例えばわが社は大手電機メーカーが5ヶ月かかる納期を2週間に短縮することで、2倍以上の価格で販売してきました。ここから始めて徐々に力をつけていくことが大切です。最初から値段を下げるのではなく、注意深く探していけば高値で入れるマーケットが必ず見つかるはずです。
 
再建はゆっくり急いで。
経営不振に陥っている会社を買い取るというのは欧米流ですが、その再生の手法は現場を重視しじっくり手間ひまをかけてという日本風で進めていきます。しかし、再建のメドは一年でつけるのがポイントになります。多少辛かったとしても、この間に結果を見せることができれば、社員の意識や社内のムードを大きく変えることができるからです。要するに、ゆっくり急いでというのが会社を再生するための大きな1つで、時間をかけるところと書けないところのバランス感覚が成否を決めるのです。
 
 
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今回、一部だけを抜き出しました。前回の記事と重複しているところはメモとしては基本的に省いてしまっていると思います。
やはり、ご自身で会社を創り、大きくし、経営を続けてきた方のコメントというのは生々しい感じがあり、とても勉強になります。自分自身もそれを知識として蓄えながらも、実際に経験を積まないと実行はできないのだろうな、と実感させられます。
 
経営者を目指す方、ぜひ手にとって見てください。
情熱・熱意・執念の経営 すぐやる! 必ずやる! 出来るまでやる!

情熱・熱意・執念の経営 すぐやる! 必ずやる! 出来るまでやる!

  • 作者:永守 重信
  • 発売日: 2005/03/02
  • メディア: 単行本(ソフトカバー)