必読!おすすめビジネス書のご紹介

ビジネス書、何を読むべきか悩みますよね。ランキング上位を買ってみても、案外学びにならなかったり。そんな思いから、おすすめの本の概要を書くことにしました。外資系戦略コンサルなどで勤務した私が、おすすめの本をご紹介します!参考になれば幸いです!

アフターデジタル(藤井保文)

筆者によると、中国での最新事例を踏まえると、「今後はオフライン、オンラインという境目は意識されなくなり、両方を融合することが今後生き残る道となる。ある顧客が、どこで何を手に取り、どのくらい迷い、どれを買うのか、どこに行くのか、などを、オンライン・オフライン全てにおいてデータをシームレスに連携することが重要となる。」とのことです。
 
本書では、まさにそれを事例ベースで紹介しています。中国におけるアフターデジタルに近い取り組み、を平安保険、DiDi、アリババ、フーマー、ビットオート、ジーマ信用などの例から、とても具体的に説明されています。
 
正直、断片的にしか把握していなかったのですが、全体像を知り、ここまですごいのか!と驚きました。日本はあっという間に中国に置いていかれているのだなあ、、と切実に思いました。
 

アフターデジタル オフラインのない時代に生き残る

抜粋と考察

近未来的なことが「デジタル体験側に軸足をおいて思考する」という共通概念を持った人々によってすでに生み出されている。
顧客は近ければ飲食店に直接行くし、時間がなければネットで買う。医者に行かなくてもスマホで問診できてそのまま医薬品がデリバリーされてきたり、たくさん運動したらそれが保険会社にシェアされて、保険料が安くなったりする。近くの医者を探し、評判を見て、予約する、そこまでがとても便利なアプリを作り、その情報を持って保険の営業マンは顧客にそれとなく連絡する。「最近お体の具合はどうですか?え、病院に行くんですか?大丈夫ですか?ご家族のことも考えて、保険を検討しませんか?」のように。営業効率は著しく向上する。(平安保険)
 
自分が正直に支払い、いい行いをコツコツ行えば、無駄な証明をしなくても自分が信頼できる人間だと理解してもらえる。ポイントは、スコアが低い人を罰する、ではなく、スコアが高い人に高いサービス(例えば個人融資など)を提供する、ということ。それにより、人々はより多くの個人データを提供するようになっていき、競合優位性が高まっていく。(ジーマ信用)
 
こうした「顧客にとって最も便利な体験」を提供することで、更に行動データがたまり、「自分にあったものをいつでも提示してくれる」「最適なタイミングで連絡をくれる」という、更に便利な状況を生んでいく。その根幹の社会状況の捉え方が、アフターデジタルであり、ビジネス思考法が、OMO(Online Merges with Offline)である。
 
アフターデジタル時代のビジネス原理
医療の場合、平安保険は、従来ほとんどユーザーとの接点がありませんでした。接点がなければデータを得ることはできないので、スマホのアプリを開発し、そうした状況を変えました。
医師による年中無休の無料問診や予約というキラーコンテンツと、ヘルスケア情報の閲覧及び、「歩くだけで貯まるポイントプログラム」という頻度の高い機能をアプリ上で融合させ、顧客との接点を作ったのですが。そして、顧客の利用履歴から把握した「属性、好み、状況」の情報を使って、営業員やマーケター、コールセンターと連動し、ベストなタイミングで顧客に新しい提案をすることが可能になりました。
 
移動の場合、DiDiは運転を接客の品質をスコアで可視化し、更にそのスコアをインセンティブにすることでより高い運転品質での移動体験を可能にしました。ユーザーとドライバーの相互評価にもなっているので、ユーザー側もキャンセルし続けたり態度を悪くしたりしにくく、かついいユーザーと良いドライバーがマッチングされる構造になっています。
 
これらの事例を踏まえると、アフターデジタル時代のビジネス原理は、次の2つにまとめることができる。
  1. 高頻度接点による行動データとエクスペリエンス品質のループを回すこと
  2. ターゲットだけでなく、最適ながタイミングで、最適なコンテンツを、最適なコミュニケーション形態で提供すること
 
また、さらなる工夫として、
DiDiでは、運転手は「何をどうすればスコアが上がるか」が開示されているので、ゲーム感覚で「いい運転手」を目指すことができます。
 
既存企業がOMOのために事業変革を目指す場合、社長直轄での会社変革が求められる。
平安保険では改革のために、CEOをUXがわかる人材に変え、そのうえでCEO直轄でプロジェクトを作りました。「マーケティング部」などの一部署が行うようなものではなく、全社の最優先プロジェクトにしないとうまくいきません。

 

 

いかがでしたでしょうか?正直書き写さないといけない部分が多く、写真で保存するほうが早かったので一部しか引用しませんでした。中国ビジネスに詳しくないなあ、と思っていらっしゃる方、是非一読をおすすめいたします。