必読!おすすめビジネス書のご紹介

ビジネス書、何を読むべきか悩みますよね。ランキング上位を買ってみても、案外学びにならなかったり。そんな思いから、おすすめの本の概要を書くことにしました。外資系戦略コンサルなどで勤務した私が、おすすめの本をご紹介します!参考になれば幸いです!

社員の力で最高のチームを作る エンパワーメント(ケン・ブランチャード)

上司が指示したことしかやらない部下。目の前の仕事のことしか考えていない社員。

 

それは、マネジメントの仕方・組織の作り方に問題があるからと言えます。まさにこの本は勉強になるし、事例もわかりやすく、そして星野リゾートの星野佳路さんの具体例もとても勉強になります。

 

ストーリー的で読みやすい一方で、とても示唆に富む内容なので、まだ読んでない方はぜひ。

社員の力で最高のチームをつくる――〈新版〉1分間エンパワーメント

 

まとめ

エンパワーメントとは、社員が持っているパワーを解き放ち、それを会社の課題や成果を達成するために発揮させることです。
  • 社員にパワーを与えることではない。社員はすでにパワーを持っている
  • それを解き放つために組織がサポートするのである
しかし、ほとんどの組織は、社員を励まして正しい行動を促すのではなく、間違いを見つけて懲らしめることに意識が向いています。学校教育も同じですね。
 
 会社にエンパワーメントを持ち込むとどうなるのでしょうか?
エンパワーマネージャーとなった上司は、部下たちのパワーと組織の目標をつなぐ連結品の役割を求められる。部下のために上司が仕事をするのである。
社員自らがいま、会社のために何をするのか、を考え、行動する。逐一マネジメント層が指示をする必要はないのである。
 
エンパワーメントを実現するにはどうすればよいのでしょうか?
本物のエンパワーメントの核心には、オーナーシップの感覚がある。自立した働き方を促進するために共有が必要な6つの境界線が共有されていると、社員は指示がなくても何やったらいいかがわかるようになり、自らオーナーシップを持つ。
  1. 目的 :われわれは何のためにビジネスをしているか
  2. 価値観 value :会社の指針は何か
  3. イメージ  :どんな将来像を思い描くのか
  4. 目標 Goal :何を、いつ、どこで、どう達成するのか
  5. 役割 :誰が何をするのか
  6. 組織の構造とシステム : 仕事をどう位置付け、どう支えるのか

 

しかし、上司と部下の認識がずれることはよくあります。指示が曖昧な上司。確認不足の部下、上司のフィードバックのズレ。まずはそれを認識しましょう。
お互いの認識にずれがないかを確かめるためには、上司と部下でそれぞれやるべきだと思っている役割を重要な順番から10個それぞれが書き出してみることが良い。
上司がやってほしいと思っていることをしっかりと伝えられているか、また日々のフィードバックはそれを反映したものになっているか。部下がどう感じているかが上司の日々のフィードバックの質を反映している。
 
<ガソリンスタンドの例>
オーナーは売り上げを増やしてほしいと思っていたが実際の日々のフィードバックは「陳列が汚い」、「トイレが汚い」などの些細なことであった。そのため従業員は作業レベルの役割しかになっていないと勘違いしていた。
オーナーはこのように声掛けすべきだった。「コーヒーが切れていたらお客様はどう感じるかな?」「今日販売量が落ちた理由を考えてくれるかな?僕も手伝うから。」「たびたび売上金の計算が合わないけど、お客様に損をさせてはいないかな?」
 
 
【実際に、エンパワーメントを実践するために】
エンパワーメントの旅を始めるときには、トップが従業員に相談するような話し方をすることが、皆の意識を変えるために重要です。
皆さんのことを信頼しています。これから会社を良くするためにどうしたらいいか一緒に考えてほしいそして力を貸して欲しいんです 
 
まずは各チームのメンバーがお互いの仕事への価値観、役割を揃えることが先決だった。実際に皆で書き出してみると思った以上に一人一人がバラバラであることがわかった。
 
そして、徐々にセルフマネジメントチームを構築していきます。 
セルフマネジメントチームは、業務プロセス全体あるいは製品やサービス全体について責任を持つ社員によって構成され、仕事の一部始終をチームで計画、実施、管理することができるようなチームである。
  • 社内の情報を集め、分析し、何をすべきかを決め、決めたことを伝えると言う仕事がチームに、そして各個人に委ねられている。
  • 各チームが自分たちが必要な情報を都度入手できるようにしており、それを自分たちの評価指標として改善活動を続けている。
 
チームにセルフマネジメントを実践してもらう際には、トップが責任とリーダーシップを取り、そして失敗を歓迎する文化を作らなければならない。でないと、社員は失敗を恐れ発言や提案をしなくなってしまう。
 
セルフマネジメントチームが形成された当初は、みんな熱心であるものの、誰が何をどうすれば良いのかということがわかっていません。この時期を「方向付けの段階」といいます。この時期には誰かがアジェンダを設定しチームとしての方向を示さなければなりません。
 
それができないと、新しいチームで何かをやるのはできない、という不満が立ち込めます。ここでリーダーは明確なリーダーシップに加えてメンバーの話をじっくり聞いたり励ましたりという支援が必要になってきます。
 
そのチームの支援とファシリテーションの役目を担う人をチームコーディネーターとして役割にしました。それは機能しており今も続いています。 
 

 
 
 
 最後に、星野佳路さんが星野リゾートの立て直し初期の話を共有してくれています。
星野リゾートにおけるエンパワーメント】

当時星野温泉では、料理の板前が他の社員に味について意見を言われても耳を貸そうともしませんでした。そこで星野さんは顧客アンケートをとり、その結果を料理フロントサービス・部屋・料理など様々な項目で生データを全社員に共有しました。

それを受けて各部門が独自に顧客満足度を上げようと行動を始め、定期的にリサーチをする中で毎回のリサーチ結果を社員が楽しみにするようになっていきました。

 

しかし、ある程度まで上昇した後、お金をかけて設備を更新しない限り一定以上のレベルにはいかないとわかり、それに対して社員の不満が募っていきました。

 

そこで星野さんは旅館の利益構造を社員に公表し、投資をしたくても、それをするだけのキャッシュがなかなか生まれてこない、ということを共有しました。すると今度は社員がそれぞれの投資提案に対してリターンはどれぐらいになるかというような計算を始め、また、より低コストの投資を考えはじめました。

それはつまり今までは経営幹部だけが考えていたような問題に対して全社員が考え知恵を働かせてくれるようになったのです。

 

 

この本では、上記の内容が、詳細まで架空のストーリーを使って書かれています。とても具体的なので、どう声掛けすべきか?ということも勉強になりますよ。