新受験勉強入門 勉強法マニュアル(和田秀樹)
学び方シリーズ第2。
私が受験時代にお世話になった本です。
おかげで英語も社会人になったあとに使えましたし、他の教科の学び方もとても効率的に進みました。ちょっと違う文脈から今回は読んでみましたが、いま見ても、学ぶ、という意味でとても参考になります。
勉強法を勉強してから勉強する。
これは鉄則です(自分もできていない時があるので自戒を込めて。)
効率暗記マニュアル
- 記憶力を高めるキーワードは「理解」と「集中」
- 好きな科目から先に伸ばすのも暗記の要領
- 競争原理の導入で、集中力を高めろ
- 一回で覚えようとするから、なかなか記憶に残らない
- 単純暗記モノは、個数ではなく時間で区切って覚えろ 人間は忘れる生き物であるため、暗記のノルマを個数で管理するのは効率が悪い。 むしろ時間で管理し、その中で広く浅く、何度も、を徹底してなるべく多くに触れるようにする。 それが脳の働きを考えたときに効率のいいやり方だ。細切れ時間を活用しよう。
- スランプのときは、守りの勉強に徹する 調子が出ないときはかならずある。そんなときは復習を徹底し、調子を整える。無理して進めても効率が落ちるだけだ。
- 理解型暗記の徹底で、「記銘力」「保持力」をアップ 暗記するときはただ文字列を暗記してもだめ。ストーリーを理解し、意味のある出来事として覚える。
- 板書を写すだけのノートは失格。教師の話もすべて書きなぐれ
- 受験勉強は穴を見つけて塗りつぶす「塗り絵」と同じ
- 教師に質問に行くときには、最低限のことは調べておけ
- 五感をフル活用すれば、暗記効率はさらに高まる
- 記憶に残りにくいものは、「和田式カード」で密着暗記! カードは大きいものを使う。数学の問題を丸写ししたりできるようにだ。 そしていつでも持ち歩き、完全に覚えたら閉まっておく。そうすると持っているもの=弱いところ、となるため、わかりやすくなる。
- 「勉強しているのにデキない」のは、実践演習の軽視が原因だ
- 必要な知識を七〜八割入力したら、アウトプット・トレーニングに移れ
- 理解や記憶が確実かどうかは、アウトプットして確認
基礎力強化徹底マニュアル
- 「基礎抜き」の受験勉強は、 暗記地獄にハマるだけ
- 「ワカる」ところから、受験勉強をスタートさせろ
- スタ—卜地点の特定なしに、受験勉強ははじめられない 自分がどこが苦手か、を把握し、スタート地点を明確化すること。闇雲に始めても時間の無駄。
- 「どこまで戻ればいいか」を最初に判定
- スタートラインがわかれば「すべきこと」は自動的に決まる
- 中学英文法の習得をメインに、中学単語の穴を埋めろ 穴があっては理解度は上がらない。常に自分の弱点を把握することを目標にする。
- 中学英文法が固まったら、やさしめ英文でならし運転
- 数学のレベルチェックで、「どこから手をつけるか」判定
- 高校数学からのスタートでは「計算力不足」に注意 中3〜高1の範囲にある「因数分解」「ルート」「指数」などの計算は無意識にできるようにしておくこと。 ここで時間を食っているようでは数IIや数IIIで戦うことはできない。
- 腹をくくって中学数学完全復習に取り組む 基礎力に問題があるひとは、覚悟を決めて2ヶ月以内に中学数学の総復習をする。 ここを乗り越えねば受験での高得点は絶対に無理。腹をくくるべし。
英語勉強法マニュアル
- 受験英語を制するカギは、「速読力強化」にあり 精読しがちな学校の授業のやり方では、大量に文章を読むことを求められる受験勉強に太刀打ちできない。そして、社会に出たあとも大量の文章を読む力のほうが重要になる。それを意識しよう。
- 「文章系」をメインにすえる骨太の攻略システム 精読と速読を英語学習の主軸に据え、必要に応じて文法系を補強する。それにより英語を読む、という力を高める。
- 「基礎体力期」 では、必要最少限の単語・文法・構文を速攻マスター
- 精読と速読を交互にくり返しながら、 読み慣れをつくれ
- 長文を読み込みながら、「語い系」「文法系」をカバー 長文の中にはもちろん単語、文法が含まれている。文章系の勉強をしながら、それらに触れていくというのが効率の良いやり方だ。そして細かい部分をおいおい学習し、穴を埋めていく。
- 「手書き全訳」 の実践で、いい加減な読みグセを防止
- 参考書とノートをそろえて、 いざ全訳読み込みを実践
- 辞書の引き放題は厳禁。ルールをつくって引け
- 訳の照合は「全訳」 ではなく、「解説」を読みながら 全訳では、文章として成り立たせるために意訳をしていることがおおい。そのため文の構造を理解することが難しくなる。自分の訳が正しいかどうか、は解説部分の直訳に近い形のほうが参考になる。
- 返り読みをせすに、 英語の並び順でイッキに読み切るクセをつけろ
- 知らない単語があっても、ビビらすに読む「類推力」を養え
- 「読む」から「解く」ヘ重心を移しながら志望校対策につなげ
- 「文法系」「語い系」は、読み込み期の後半から導入
数学勉強法マニュアル
- できない苦しみを暗記数学で解消 数学の問題にはパターンが有る。そのため、そのパターンを覚えてしまうことで、「できる」問題が増えていく。心理的な苦しみはそこで解消してしまいたい。
- 授業と解法賠記の 《複線型》で、分野ことに順番に仕上げていく 数学をある程度できる人にとっては、二次関数の基礎を学んだあと、次の範囲に進まずに二次関数の入試問題を解きに行くことで実践力を高めるほうが効率的だ。
- 「志望校・実カ・残り時間」を考えて、ベターな解法暗記本を選べ
- ピンポイント補助がダメなら、プレ解法暗記で土台から補強 苦手な範囲が絞り込めていればその分野をピンポイントで補強すれば良い。しかし全体的にダメ、という状態であれば一度教科書レベルまで戻るのが大事である。そこで、解法暗記の土台としての基礎理解を固めるべし。
- プレ試行期の設定で、覚えた解法を「使える解法」に変換 覚えただけでは使えない。そのため、実践演習を通じて使える状態にしていく。
国語勉強法マニュアル
- 文法暗記はほどほどにして、すぐに次の段階に移れ
- 実際の古文を読みながら、荒削りの文法 をブラッシュ・アップ
- 〈句法暗記→演習〉のセットを、三回くり返して本番に臨め
- 「伸びればラッキー」の意識で現代文対策に取り組め
- (現代文)相性の良い著書の参考書ラインを組み立てろ
- (小論文)書き方のコツを掴んでから、志望校向きの知識を詰め込め
理科勉強法マニュアル
- 物理は「力学」さえ攻略すれば、満点ねらいの得意科目にできる
- 《力学→電磁気→その他》の順に、分野縦断型で仕上げろ 物理は出題範囲が広く、大学ごとの傾向が出る。いずれにしても力学、電磁気学が出やすいのでまずはそこから。敵を知るべし。
- 公式の丸暗記は無意味。「問題を解いて覚える」のが王道
- 化学は「理論」を乗り切ってしまえば、あとは単純暗記でケリがつく
- 三か月かけて「理論」の基礎を完璧に固めろ
- 「無機」「有機」 の丸暗記は、夏・秋・直前の三度塗りで万全
- 教科書+サブノートで進める、授業密着型ライン
- 生物は教科書順の攻略がセオリー。教科書+サブノートが効果的 生物は物理や化学に比べて教科書の重要性が高い。学校の授業に加えて、さらに市販のサブノートを組み合わせながら学習するのが一番効率的。ただし、学校の授業が使えない場合、自分で参考書を買い、それのみで進めていく。
- 理解があいまいな分野は、 ピンポイントで補強
以上です。詳細の記載は省きますがだいたいエッセンスは伝わるのかなと思っています。手元に置き、折に触れて読み直したい一冊です。
出典:
新・受験勉強入門(勉強法マニュアル)―やり方で受かる!和田式要領勉強術の実践ノウハウ (大学受験合格請負シリーズ)