必読!おすすめビジネス書のご紹介

ビジネス書、何を読むべきか悩みますよね。ランキング上位を買ってみても、案外学びにならなかったり。そんな思いから、おすすめの本の概要を書くことにしました。外資系戦略コンサルなどで勤務した私が、おすすめの本をご紹介します!参考になれば幸いです!

ハーバードの投資の授業(中澤知寛)

今回は、若干ビジネス書とは違うかな、と思いつつ、ビジネス領域でも参考になりそうだと思ったので、その部分だけ記載します。

ざっくりいうと、

「市場は論理的には動かない。しかし、なぜ論理的に動かないか、という部分には、論理的に説明できる部分がある」

「論理的に正しいことも、タイミングは外れることがある。じっくり待つこと。」

というところ、とても学びになりました。

ハーバード・ビジネス・スクールの投資の授業

 

HBSの人気職業は「ファンドマネージャー」「コンサルタント」らしいです。実に半数の人がどちらかの道に進むのだとか。そんな学生を生み出すハーバードビジネススクールでも投資についてのレクチャーがあり、著名な卒業生投資家が実際にレクチャーをしてくれるらしいです。
 
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会社の重役の株式取引結果から、その会社の業績が予想できる場合がある。
公開されている情報から、例えば2人の役員の株式の取り扱い情報がわかったとする。 片方の重役が過去取引した何回かにおいては、その後の株価の変動はなかったが、 もう1人が取引をした前後1ヵ月間では、株価が動いていた。つまりこの条約は何らかの情報をつかんだ上で、株価の取引をしていたと考えられる。
 
 
市場は論理的に動くが、短期スパンでは論理的ではない。
市場は予想通りに動かないことがある。
例えばキャロウェイの主要取引先であるコーストキャスト社は、売り上げの50%をキャロウェイに依存していた。キャロウェイが業績の下方修正をした時、コーストキャストの売り上げも相応に毀損していると考えられる。
しかし、こういうときは概して、コーストキャスト社の下方修正が「実際に」発表されるまで株価に変動は起こらないことが多い。
 
つまり、論理的に考えれば下がるはずの株が、しばらく下がらないことがある。この機会を見つけることができれば、利益を上げることができる。
 
 
人は失敗を忘れてしまう。なので、バブルが何度も起こる。
今がバブルかどうかは、後になってみないとわからない。グリーンウッド教授の論文では、このように書かれている。
「新たなバブルが生じるには割高な株式を買ってくれるような、新しい世代の投資家が現れる必要があると言うことです。 お金に関する記憶は、最大でも20年しか持ちません。ちょうどこれぐらいの期間で、過去の危機を忘れてしまうのです。」
投資は、過去の経験がものをいう。ただし、いざという時にその経験を忘れないように自分を制する必要がある。
 
 
大きなお金を動かすファンドマネージャーも、サラリーマンである。
指数銘柄の入れ替えなど、確実に利益が取れるタイミングはある。なぜ同じ情報をもとに行動するのに利益になるのかというと、そこには雇われ投資家のインセンティブが働くからである。
 
雇われ投資家は明確な結果を求められるサラリーマンである。絶対に過剰な損失を出してはいけないインデックス運用の際は、事前に利益が上がるかもしれないという見立てのために、指数銘柄の入れ替えを当日を待たずに行う事はしたくない。なぜならば、利益を出しても褒められる事はない一方で、損失を出した場合は間違いなくクビになるからである。
そのため、指数に組み入れられる株が実際に上がり、指数から外れる株が下がるのは、組み入れ当日もしくは前日になる。

 

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本の学校では、大学も含めて投資、お金の話はされないことが多いです。しかし、1700兆円にも登るという貯蓄を投資に回すためには、子供の頃から投資というものを学び、小さな失敗を経ながら一人ひとりが投資家になっていくということが求められるのではないか、そう感じます。

 

時間軸が当てにならない、という学びは日々の仕事においても同じだと思います。CMを売ったからその日に売上が伸びるわけではないですし、値上げをしたからと言ってその日にお客さんが離れるわけではありません。しかし、時間軸はどうあれ、確実に影響は出てきます。

そこが、とても学びになりました。

 

出典:

ハーバード・ビジネス・スクールの投資の授業