U理論(C・オットー・シャーマー)
まとめ
U理論におけるUプロセスの流れ
U理論の過程は5つの運動として表現できる。
共始動(co-iniciating)人生があなたに求めていることに耳を傾ける。そしてそのことに関わりのある人や状況とつながり、共通の糸を持ち、互いに触発し合う仲間を招集する。 共感知(co- sensing)ただひたすら観察する。開かれた思考と心で耳を傾ける 共プレゼンシング静寂な場所に行き、深い叡智の源を開き、家から出現しようとする未来につながる 共創造(co-creating)行きている小宇宙のプロトタイプを作り、未来への滑走路を用意することに寄って、実践を通じて未来を切り開く 共進化(co-evolving)人々が「全体を見て行動すること」によって、境界を超えて互いに結びつける場所を確保する
同じ問題と現状を、どの角度から見るのか、で結果は大きく異なる。
第二次世界大戦後、自動車産業のスタートはフォードの工場だった。そして自動車産業の課題は、様々な車種を同じ工場内で作るにはどうしたらよいか、ということだった。
戦前、黒のTフォードを大量生産していたフォード社は、大規模な生産設備を作り、できるだけ処理量を上げた。最大の処理量を維持できればコストは最小化できるというのだ。
問題は、一つのラインでいくつかの車種を作ろうとすると、どこかでラインを止めて、工程に何らかの変更を加えなければならないということだ。
フォード社は「最大の処理量を維持すること」を重視し、ラインを分断することでこの問題を解決しようとした。塗装の場所はここ、溶接の場所はここ、のように。
一方、トヨタ社は「よどみなく流れているからコストが下がるのだ」と考えた。そこで、段組み(塗装の色を変えたり)に係る時間の短縮を行うことで、いかにラインを止めないか、でこの問題を解決しようとした。結果、リーン生産方式として知られるトヨタの工場では、フォード車が8時間かかるプレス機の切り替え作業を20分、のちには6分ほどで行うことができるようになり、文字通りラインを止めずに作業できるようになった。
U理論を皆の共通認識として持つことにより、会議で速やかに進めることができる。
7名のR&Dセンター社員が集まった会議において、まずは所長が今直面している課題と、同社の研究開発の現況について述べた。そのあと私が、イノベーションの課題に対する異なるアプローチとしてU理論を説明した。すべてが速やかに進み、互いを触発する心地いい会話とブレーンストーミングへと移っていった。会議が終わったときには、何にフォーカスするか、期間、プロエジェクトの大まかなスケジュールなどが合意されていた。
U理論はとても難しいですね…こちらにも概要がまとめられていました。
http://www.presencingcomjapan.org/utheory/
問題をどのように認知、認識し、解決策を考えて実行するか、ということを(難しいですが)視覚化することで、メンバー同士での共通認識を作ることができ、それによりチームとしての価値が高まっていくということなのでしょうか。
教養として、ビジネスの武器の一つとして、理解しておきたいですね。