必読!おすすめビジネス書のご紹介

ビジネス書、何を読むべきか悩みますよね。ランキング上位を買ってみても、案外学びにならなかったり。そんな思いから、おすすめの本の概要を書くことにしました。外資系戦略コンサルなどで勤務した私が、おすすめの本をご紹介します!参考になれば幸いです!

誰もが人を動かせる!(森岡毅)

リーダーシップを取る。人を動かす。

経験値が高い人は自然とできるものの、明日からやれ、と言われても難しい。

森岡さんの過去の経験に基づいた本書は、とても勉強になりました。ということでご紹介です。

 

誰もが人を動かせる! あなたの人生を変えるリーダーシップ革命

 

 

自分に適した属性でリーダーシップを伸ばしていくべし

人の属性は大枠は3つに分類できる。生まれ持つものはどれかに偏りがちだが、経験と訓練によって他の型も身につけ、伸ばすことができる。

  1. T型(Thinking):思考力を強みとする人。考えることが大好きで、行動する前にまずは考え、慎重になりがち。
  2. C型(Communication):伝える力や人とつながる力を強みとする人。人と摩擦を起こすのが苦手なため、自分の思いを押し通すことが苦手。
  3. L型(Leadership) :人々を統率して動かす力を強みとする人。生まれつき正義感が強く、外の世界に影響力を行使して変えに行きたいと衝動的に感じている人。

T型はリーダーシップを身につけ、戦略を軸に据えながらトップを支えるナンバー2の「軍師タイプのリーダー」を、C型の人は同じく「周りに自分のために動いてもらうプル型リーダー」を完成形としてイメージすると、それぞれストレスなくリーダーシップを身に着けていきやすい。

L型と同じことをやろうとすると、どうしてもどこかでストレスを感じてしまう。

 

現代人は「欲」がない?

人間、欲の根源は数千年前から本質的には変わっていない。現代「欲」がないように見える人の多くは、自尊心が傷つくこと、目標未達成のストレスを回避したい安全欲が並外れて強いと言える。 「空を飛ぶなんで、今までできた人はいない。チャレンジして失敗するに決まっているから初めから空を飛ぶなんて考えないようにしよう」 という考え方。

 

正常に欲を保つためにはその逆方向のトレーニング、自分が傷つくことへの恐れや、欲求が満たされないときの苦しさなどを振り切るトレーニングを詰めば、「欲」を見つけられるようになる。小さなことからやってみたいことを設定し、実際にやってみるというトレーニング。

 

3 wantsモデルでやりたいことを探す

「人を動かす力」の根源はどうしても実現したいと本気で思える目的が明確であること。そしてその目的が周囲の人の支持を集めやすい場合に実現しやすい。では、その「目的」に求められる3条件とはなにか。これを「3wantsモデル」と呼んでいる

  1. 巻き込みたい人々にとっても魅力的であること
  2. その目的達成が自分ひとりの努力や工夫でなんとかなるものはなく、集団としての能力を必要としていること
  3. 自分自身が本気になれること

リーダーシップが弱い人は、自分自身のための、内向きの欲に閉じていることが多い。そうではなく、誰もが求める、そして自分だけではできない外向きの欲を強くもつことが第一歩となる。

 

リーダーシップ経験を積むためには環境が重要

リーダーシップを高めるためには、自分が周囲からそれなりに頼りにされる環境に身を置くことが重要。自分がその組織で劣等感を持っている状況では、自分が周囲を巻き込んで皆を引っ張って、、、などは不可能。

そのため、例えば合格最低点で優秀な学校に入るより、上位3割くらいに食い込めそうなそこそこの学校に行ったほうが、リーダーシップは成長するし最終的なその子供の学力・能力も圧倒的に伸びるはず。採用するときもそういう観点がリーダーシップを見るときは重要。
鶏口牛後。

また、広い視野と職責も重要。自分が持てる視野の広さや動ける範囲が十分にあると、自然と広く見るようになり、リーダーシップが育つようになる。逆に大企業の1部門、になるとサイロ化された仕事しかできないことになる可能性があり、自然と視野が狭く、リーダーシップが育たなくなってしまう。

 

成果を出すためとはいえ、相手の領域に踏み込むのはリーダーではない

自分がコミットした成果を確実に達成するために、同僚の動きが不安だったら介入し、仕事を奪う。自分の意図と違う動きをしたら怒る。それではその相手は自らの力を充分に発揮しようとしないし(恐る恐る仕事をするし)、二度と自分のために仕事をしてくれなくなる。まるで焼畑農業

そうではなく、人の力を引き出すリーダーシップを身につけるべき。

 

自分の想いをひたすら伝える。それで相手を動かす。

自分を信頼してほしくば、まずは相手を信頼する。相手ができる、と信じた上で、チームとして成し遂げたいことを、相手がうんざりするくらいの熱量で伝える。何度も、何度も。リーダーの役割は、自分が動くことではなく、人を動かすこと。

自分が動くことは、部下のやりがいや、経験を積むチャンスを奪っている。

相手が動いたあとは「一緒にやる」ことでサポート

相手がやる気があるからと、いきなり全部任せると部下はプレッシャーと能力不足で再起不能になってしまうことも。

そのため、まずはお互いで「目的」を明確にするための話し合いをする。

次に、そこで合意した目的にたどり着くための「戦略」をまずは相手にしっかりと考えさせる。相手が持ってきた案に、自分なりの知見をインプットし、「対等な」議論を経て戦略をお互いに合意する。

戦略が定まったら、相手の力量のちょっとだけ上の難易度を狙いながら、「あなたはここが得意だから、ぜひここをリードしてみてください。こっちは私がやっておくので、来週一緒に議論しましょう」みたいに伝える。そして相手にも充分な業務と責任をこなしてもらいながら、良いものを作っていく。

相手の力量が高い場合は、目的が擦りあったあとはすべてを任せ、定期的に、かつ好きなときに自分を巻き込んでもらうように依頼する。

 

では、相手の方針が自分の考えと違う場合はどうするか。結果のリスクが取れる場合は、相手の好きなようにやらせてみるのがよい。最後は尻拭いすればいいし、その場合でも相手は「失敗経験」という最高の経験を得ることができる。

 

やってみせ 言って聞かせて させてみせ ほめてやらねば 人は動かじ (山本五十六

 

リーダーシップの本質とは、ストーリーテリングの能力かもしれない

リーダーシップをシンプルに捉えると、それは「人を本気にさせる力」と筆者は考える。それは、

人々が達成したくなるワクワクするような未来の完成形を描き出し、それが絵空事ではなく本当に実現できそうだと信じさせる力。そして、その物語の中でその人ならではの特別な役割を演じられると相手に信じさせる力。

それらがあれば人は目的のために本気になり、仲間になってくれる。

 

 

以上です。

 

出典:

誰もが人を動かせる! あなたの人生を変えるリーダーシップ革命