外資コンサルによる必読ビジネス書のご紹介

ビジネス書、何を読むべきか悩みますよね。ランキング上位を買ってみても、案外学びにならなかったり。そんな思いから、おすすめの本の紹介と、その内容の概要を書くことにしました。戦略コンサルなどで勤務した私が、おすすめの本をご紹介します!

イーロン・マスク 未来を創る男(アシュリー・バンス)

イーロン・マスクの伝記です。記者嫌いで有名なイーロン、伝記に近いこのような形式で本が出ることはしばらくないのでは...?という貴重な一冊です。

 

イーロン・マスクの凄さは、明確なビジョンを持ち、研究し、実現するまで諦めないこと。そしてそのビジョンを他人と共有できるところであると感じます。

実際にここまで壮大なビジョンを持ち続け、そして成功させていく人が現代に生きているのですから、自分自身も大きなことを成し遂げるために生きていきたい、と強く思います。まずは行動せねば。

 

イーロン・マスク 未来を創る男

 

要約

幼少期から図書室の本を読破するほど本を読み漁っていたイーロン。10代の頃に本で読み、感銘を受けたことは「本当に難しいのは、何を問えば良いのかを見つけることだ」というSF作家の言葉。そして、こう感じた。「唯一、人生において意味のあることといえば、啓蒙による人類全体の底上げに努力することだ」ということであった。

 

大学卒業後に弟と起こした会社、ZIP2は当時黎明期であったインターネットを活用してみよう、という思いつきから始めたものであった。その時はイーロンもまだまだ若く、とりあえずやってみた、という形であった。


このビジネスはうまく行ったものの、結局、クーデターに合い社長を外されるという事態に陥った。なんとか会社を売却でき、2200万ドルという大金を手にした。当時まだ27歳である。


当時からやり抜く、という意識を圧倒的に高く持っていたイーロン。その時のセリフとして「私はサムライの心を持っています。失敗で終わるくらいなら切腹します」という言葉を残している。

 

 

若くして億万長者になると、挑戦を辞める人も多いが、そこからのイーロンはすごかった。


億万長者になったあと、まさかその全額をリスクにかけ、新しい会社を立ち上げた。それがX.com、後にペイパルと合併する会社である。その会社もうまく進んでいき、一度は競争に勝ち、ピーター・ティールが立ち上げたペイパルを吸収合併。順調に成長していた。しかし、またもクーデターを起こされ、ピーター・ティールが社長に、そして社名もペイパルに変更となった。

 

しかし、このときのイーロンは、ZIP2のときほど焦り、抵抗したりはしなかった。「今までの銀行は欠点が多すぎた。そのため、新しいオンライン上で完結する金融サービスを作る」というビジョンが明確にあり、それが実現できるのであれば社長の座に拘る必要はない、と考えていたためである。

その後、ペイパルをイーベイに売却する話がまとまりイーロンは2.5億ドルもの大金を手にする。

 

そして次なる野望への挑戦が始まった。

 


その時点で、イーロンは「宇宙の可能性」「地球環境における問題」に興味を持っていた。「インターネットはもううんざりだ」という思いもあったらしい。

 

ペイパルを抜けたイーロンは、宇宙関係の猛勉強を始めた。専門書を読み漁り、専門家の集まりに行き、「火星協会」に入りとにかく宇宙について勉強をした。この猛烈な行動は本当にすごい。結局、宇宙関係で一流の人脈ができ、知識レベルも一流になった。

 

そして、宇宙にマウスを送る、という研究を見ている中で感じたことは、「宇宙に何かを送るということ自体にコストがかかりすぎる。このままでは宇宙を身近に感じたり、火星に移住したりするなんて絶対無理だ」ということ。そこから、「では、宇宙に物資を送るコストを劇的に下げよう」と考え、spaceXを立ち上げた。そこに1億ドルを投資。

その後、テスラの構想を持ってきた創業者に次々に金を注ぎ込み、数千万ドルを投資。自らのビジョン実現に向けて資金だけでなく、時間も大量に投入していった。

 

2008年まではspaceXも打ち上げを3度失敗、テスラも量産車が生産できない、というどん底状態で、イーロンも全財産を失いかけた。しかし、ギリギリのタイミングでNASAからの受注が成功し、テスラも量産が無事始まり、両方の会社がうまく回り始めた。
と、書くのは簡単だが、その過程でイーロンはとてつもない時間とお金を使い両方の会社の成功に貢献をしている。

 

イーロンのすごい力は、ビジョンを伝え、超優秀な人材を連れてくること。宇宙業界にしても、自動車業界にしても、超優秀な人材がこぞってspaceXやテスラに入ってくる。

既存の業界では、色々なしがらみから本当にやりたいことをできないと思っている人材がそのビジョンに惹かれ、優秀な同僚たちに惹かれ、入ってくる。そしてその人材に、妥協を許さずひたすら全力を尽くさせるところに、イーロンの凄さがある。


太陽光発電で全米トップシェアを持つようになったソーラーシティも、イーロンのビジョンから来ている。「地球にはとてつもないエネルギーを持った太陽光が降り注ぐ。それを使わないなんて、もったいない。」まさにそのとおり。

しかし、そう思ってもその実現に向かって走り続けられる人がどのくらいいるだろうか?

 


これほど大きなスケールでものを考え、自ら研究し、それを成し遂げる、という強い意志を持つ。

そんな大きなことをできるなら成し遂げてみたい、と考える人には必読書と言えそうだ。

 

出典:イーロン・マスク 未来を創る男