必読!おすすめビジネス書のご紹介

ビジネス書、何を読むべきか悩みますよね。ランキング上位を買ってみても、案外学びにならなかったり。そんな思いから、おすすめの本の概要を書くことにしました。外資系戦略コンサルなどで勤務した私が、おすすめの本をご紹介します!参考になれば幸いです!

work rules(ラズロ・ボック)

googleはデータを大事にする文化だ、と言われます。実際、いまでは当たり前のようになっている施策も、データを分析したり、社内でA/Bテストをした結果として「当たり前」を作っていったようです。
誰が言ったから、以前からやっているから、を重視しがちな日本文化を早々に変えていきたいですね。

ワーク・ルールズ! ―君の生き方とリーダーシップを変える

まとめと抜粋

<働き方・文化>
グーグルでのマネージャーの働き方は、「賞罰を与えることではなく、チームの障害を取り除くことでチームの成果を上げる」こと。
  • 賞罰を与える権利はマネージャーには無い。そのため、マネージャーはチームの成果をあげるしか、周りに価値を出せない。
 
 
従業員に自由を与えるほうが生産性は上がるし、何より優秀な人材を社内に確保しやすくなる
  • 現代では優秀な人材はどんどん社外の情報を取得し、不遇があるとやめてしまう
  • 自由を与えるし、報酬も人材による格差をつけるほうが当たり前。優秀な人材には過剰なくらいに報いないと、辞めてしまう
  • Googleでは意思決定の権限をチームに与えたり、仕事内容とは直接関係ないことを学ぶことを奨励したり、チームの自己管理を認めた時、生産性は向上した
 
社員全員に、自らを創業者と考えるようになってほしい。これは態度の問題なのだ
 
Googleの文化を定義する3つの要素は「ミッション」「透明性」「発言権」
  • 「ミッション」自分のやることが意味がある、価値があると信じれることで、人は仕事のやる気があがる。
    • 奨学金の受給者がいかに生活が改善したか、についての話を読んだ人は、金銭的インセンティブを与えられるよりもより多く寄付をした
  • 「透明性」。原則、情報者全員に公開すべき。逆に情報の制限は意識してやるべきことであり、そうするには十分な理由がなければならない。
 
社員が大事だという会社こそ社員に情報共有すべきである。社員を信頼するから情報をオープンにするし情報をオープンにしているから社員が会社を信じる。
  • Googleでは取締役会のビデオ撮影し社員に公開している
  • 経営陣と社員の間の質疑応答は何よりも大切。質問の中身に制限を設けず、時間を区切りながらも何でも答える。
  • 情報を共有していれば様々なグループの目的の違いを全社員が理解できるので、社内の対立が避けられる
 
失敗から学ぶことの重要性を強調
  • 大きなバグやミスが生じたら、必ず何を学んだか、を議論するという方針を掲げていた
 
理解するのも大切だが、再び挑戦することも同じくらい大切
  • ロス・アルトスにある公立学校のブリス・チャータースクールでは、中学生の数学の試験で、間違えた問題に再挑戦して正解すれば、半分の点数を与えている。
 
 
<採用>
普通の社員をトレーニングして優秀な社員にすることより、優秀な社員を採用するコストのほうが安い。なので採用のコストを増やしてでも優秀な社員をとるほうがよい。そのほうがとったのに手間をかけずにすむ
  • Googleでは採用にかける費用は普通の企業の2倍以上になっている
  • Googleでは社員が2万人に達するまで、ほとんどの社員が週に4〜10時間を採用に費やした。(今でも1.5時間くらい)
 
自分より何らかの点で優秀な人だけを雇う。そのために優れるところを見抜く必要がある。その優れたところを自分やチームと比べる。
  • ある候補者はGoogleに入社するまで4年間も断り続けた。それでも待ったかいはあった
 
Googleでは途中から、立ち直る力や困難に打ち勝つ力を発揮してきた求職者を探し始めた。
  • 採用には大学名は関係ない。むしろ一流大学の普通の人よりも、二流大学のトップ卒業者のほうを取る
 
人材において最も重要なのは謙虚さと誠実さである。逸材という神話の教訓は、「賢い人を雇ってはならない」ではなく、賢いという「だけで」雇ってはならないというものである。
  • どんなに優秀な人材でも組織に馴染んでいかなければその力は発揮できない。そのためには謙虚さと誠実さが重要である
 
社員に候補者の紹介を依頼する際、「わが社が雇うべき人を知っていますか?」よりも小さく扱いやすい質問である「優秀なセールスパーソンを知っていますか?」のような小さい質問に分解することで、紹介しやすくなる
 
面接で聞きたい項目や評価したい項目が決まっている場合に、面接者を手助けするために適切な質問を含んだ面接ガイドを作成した。
 
面接で重要なもう一つの点は、受験者に自分の会社を好きになってもらうことである。不採用の人間も自分の体験を他人に語るだろうため、マイナスな印象は持たれないに越したことはない。
 
候補者がGoogleで成功するかどうかを予測する4つの属性
  1. 一般認識能力
  2. リーダーシップ(肩書きとは無関係なもの)
  3. Google的であること
  4. 職務関連の知識
面接ではこれらを具体的に質問していき各項目を異なる2人の面接者が評価をする。
 
マネージャーを採用する場合、採用したあとに部下になる複数人に面接してもらう。その部下たちがその人から学びたいと言わなければそのマネージャーは採用しない。
 
<社内の意思決定>
Netscapeの伝説的CEOであるジム・バークスデールはある経営会議の場でこういった。「事実を知っているなら、それを発表してくれ。皆で活用しよう。だが持ってるのが意見だけなら私の意見を採用しよう。」
 
Google の基本方針の一つは「政治活動をするな。データを使え」
  • どちらの意見がそれらしいかで議論をしている時間がもったいない。それなら実際に実験してみればいい。
 
組織がフラットであるだけでなく、誰もがリーダーシップを発揮できるように努める
  • 肩書を重視しない習慣を広げてきた。「私は最高の業績をあげている部下にリーダーシップを発揮する機会を与え、肩書きの権威なしでリーダーシップを発揮する技術を学べるように援助した。」
  • どんな会社の制度も全社員が参加できることが重要であった。そしてそのことを公に示し、全社に伝えることが大事である
  • マネージャーはマイクロマネジメントはおこなわない
 
マネージャーが見逃しているのは、自分が支配権を少しばかり放棄するたびに、チームにとってはステップアップの素晴らしいチャンスが生まれるということだ。同時にマネージャー自身も新たな挑戦のための時間を手にすることになる。
 
<人事評価>
社員の評価は公正さを確保する
  • 5〜10人のマネージャが一つのグループとして集まり、50〜1000人の社員の映像を壁に映し出し、一人ひとりについて議論をしてみなで合意できる公正な評価を下す。
 
ただし、社員の業務評価とボーナス査定は決して同時に行わない。
  • 業務評価は今後の成長のためのフィードバックのため。
  • ボーナス査定が絡むと、フィードバックを真っ直ぐに受け入れてもらえないことがある
  • また、直属の上司はボーナス査定が絡むと部下を良く見せようとする傾向にある
 
フィードバックの際は上司から、よりも同僚から励まされたり、コメントを貰ったり、というほうが効果が高い
  • Googleでは簡単に同僚にFBを遅れるようにフォーマットを作った
  • その後、gThanksというシステムを作り、同僚によるFBを簡単に、オープンに送るようにした
    • その際、ボーナスによる金銭的な報酬も送れるようにしたが、効果は低かった
 
社員間での協力体制を強めるため、4半期ごとに2つの質問についてチーム内で相互評価をさせ、自分の順位だけを本人に伝えた。結果、どんどん環境は改善した。
  • 「自分が協力を求めたときに彼・彼女は手伝ってくれたか?」
  • 「自分が協力できる場面があったとき、彼・彼女は協力を求めたか?」
学習する組織を作る。
  • 社員から自発的な勉強会を促し、それに会社も投資する(勉強会の飲食代を会社が負担する、とかは極めて小さなコスト)
  • 最も優秀な人を教師にする
  • 講義を消化しやすい分量(30分とか)に分解し、明快なFBを提供することで繰り返し学習する
 
昇進しなかった社員にこそ気を配り、どのように成長しているか、を1〜2時間とって各自と話し合う。それだけで大きく満足度が向上し、離職率が減った。
 
<報酬制度>
報酬は不平等でいい。100倍の仕事をこなす人には100倍の報酬を払ってしかるべき
  • その人が会社を去るのと、他の何人が会社を去るのが等しいかを考えてみればいい
  • ソフトウェアエンジニアでは100倍があり得る。他の職種でも3倍以上は当たり前にあるはず

 

 

以上、いわゆる「そうあるべきだよね!」という内容がGoogleには備わっているんだなあ、、と読んだときはとても関心しました。企業秘密でもあるこれを外部に発表するということ自体が採用活動となり、競合優位性を上げていくということを意識しているのだと思います。

会社の組織を考えたり、転職活動をしながらどういう会社が良いか考えたりしている方に特におすすめです。何度も読み返したい本です。