必読!おすすめビジネス書のご紹介

ビジネス書、何を読むべきか悩みますよね。ランキング上位を買ってみても、案外学びにならなかったり。そんな思いから、おすすめの本の概要を書くことにしました。外資系戦略コンサルなどで勤務した私が、おすすめの本をご紹介します!参考になれば幸いです!

GRIT やり抜く力(アンジェラ・ダックワース)

社会人として、学生として、1番必要なスキルは何でしょうか?
会社の採用面接であなたが最も重要視するスキルは何ですか?
 
わたしは、「GRIT やり抜く力」だと思います。ビジネススキルや知識がなくても、なんとしてもやり抜く!という意思があれば人一倍の成果が出せると思います。
 
ちょうど、少年漫画でサッカー初心者で始めた子が、必死に皆に追いつき、追い越そうという目標に向けて堅実に努力をし、他の子にいい影響を与えながらエースになっていく、のように。
 
「次はどういう資格を取ろう?」「どんなスキルを伸ばしたら良いだろう?」と思っている方にぜひ読んでいただきたいです!

やり抜く力 GRIT(グリット)――人生のあらゆる成功を決める「究極の能力」を身につける

 

抜粋と考察

成功している人を見るとき「才能だ」と言うのは簡単ですが、実は(当たり前ですが)才能だけでは成功できません。才能を持っている人はいくらでもいて、そこに努力が掛け合わさってこそ、類いまれな結果を出すことができる、と述べられています。
最も大事なのは、やり抜く力、ということが著者の長年の研究でわかってきました。
何かを達成するときには、努力が二乗で影響する。才能×努力=スキルであり、スキル×努力=達成、であるからである。
最後までやり通すちからの高さは、数年後の成功を示していた。
高校の成績と試験のスコアが同じレベルの生徒のその後の様子を比較したところ、高校の課外活動を最後までやり通した生徒は、他のどの項目で高評価を獲得した生徒よりも、優秀な成績で大学を卒業したことがわかった。そしてその後の地位や年収も高かった。

 

 
では、最後までやり通す=やり抜く力、はどう測れるのでしょうか?やり抜く力は「情熱」と「粘り強さ」の要素でできています。
 
やり抜く力と、ものすごく頑張る、は違う。やり抜く力は、「情熱」と、「粘り強さ」の二つの要素でできている。それを定量的に図るのがこのグリット・スケールだ。
「情熱」とは、1つのことに専念すること。
それは熱心さではなく、1つのことにじっくりと長い間取り組む姿勢のことである。だからこそ、グリット・スケールの情熱に関する質問は、同じ目標にどれだけ継続的に取り組んでいるかを問うものばかりなのだ。

 

やり抜く力、と必死に頑張る、は違います。なんでも必死に頑張るのは意味がない、とも言われます。
あなたが頑張るのは大きな目標を達成するためである。やり抜く力というのは、重要性の低い目標にまでしがみついて、どれもこれも必死に続けることではない。
 
それどころか、たとえ一生懸命取り組んできたことでも、中にはやめたほうがいいこともある。何もかもうまくいくはずがないからだ。
 
では、そのやり抜く力を伸ばすには...?
やり抜く力は伸ばすことができる。伸ばすのは4つのポイントである。
  1. 興味  自分のやっていることを心から楽しんでこそ、情熱が生まれる。
  2. 練習  粘り強さの1つの表れは、昨日よりも上手になるように、と日々の努力を怠らないことだ
  3. 目的  自分の仕事は重要だと確信してこそ、情熱が実を結ぶ。目的意識を感じないものに興味を一生持ち続けるのは難しい。だからこそ、自分の仕事は個人的に面白いだけでなく、他の人々のためにも役立つと思えることが絶対に必要だ。
  4. 希望  希望は困難に立ち向かうための粘り強さだ。

 

 
以下で具体的に見ていきます。
 

1.興味を強くする

子供には興味があることを何でもやらせてみよう。
 
自分の興味を高めるには、まずは好き嫌いをはっきりさせて、とりあえず、いいと思ったことをやってみる。うまくいかなかった場合はやめたって構わない。情熱に従って生きよう。
 

2.成功する練習の法則

ただ練習をするだけではスペシャリストにはなれない。目標を明確に持ち、それに向けてカイゼンを積み重ねることが最も重要で、続いて費やした時間が重要となる。
そしてフィードバックを元に、できていなかった部分を突き止め、さらにカイゼンする。
その後、繰り返し練習することで自分のものとする。
 
時間の長さより、どう練習するかが鍵となる。
 

3.目的を見いだす

どんなに些細なことや退屈な作業にも、意義を見出すことができる。例えばある人がレンガ職人に何をしているんですかと尋ねた場合を考えよう。
1番目の職人は、「レンガを積んでいるんだ。」
2番目の職人は、「教会を作っているんだ。」
3番目の職人は、「歴史に残る大聖堂を作っているんだ。」
 
その後の本人の成長・成功は明らかに差が出るだろう。
 

4.そして、希望が背中を押す

やり抜く力の強い人が持つ希望は、運とは関係ない。何度転んでも起き上がる、それが全てだ。明日はきっといい日になる、と、明日をもっといい日にしてみせるでは大違いだ。
 
そして、子供の頃の褒められ方が一生を左右する。
 
やり抜く力を伸ばす言い方は、
  • よく頑張った!
    (✕ 才能があるね)
  • 今回はうまくいかなかったね。一緒に今回の方法を見直して、どうやったらもっとうまくいくか考えてみよう。
    (✕ 挑戦しただけ偉いね)
  • よくできたね!もう少しうまくできたかもしれない、と思うところはある?
    (✕ よくできたね!才能あるよ!)
  • これは難しいね、すぐにできなくても気にしないでいいよ
    (✕ これは難しいね、できなくても気にしないでいいよ)
  • もうちょっと頑張ろう。一緒に頑張れば必ずできるから
    (✕ 君には向いていないかもしれない。でも他にもできることがあるよ)

 

 
そして、これらの要素を大事にしながらも、やり抜く力自体を鍛えることが重要です。
何かをやり通すことでやり抜く力を鍛えられる。もがきながらも努力を続けたことが進歩につながり、それによって自信が生まれ、もっと大変なことにも挑戦できるようになるという好循環が生まれるのだ。
 
そのためにはささいなことでも、最後まで最善を尽くすことである。

 

 
よく、「コピーを取る、のような些細な仕事でも完璧にやり、そこから何かを学んでいるかどうかで、3年後には雲泥の差が出る」と新人社会人向けの言葉などがありますが、まさにそのとおりだと思います。細部に神が宿る。その気持を忘れずに明日からも頑張ろう。